Cafe Shelly next 第18話 雲をつかむ その11 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 のりこが突然、そんなことを言い出した。

 

「えっ、なにを思いついたんですか?」

 

 安西のほうが興味津々にのりこに尋ねてきた。

 

「新規営業で困っている人って、たくさんいると思うんですよ。だったら、そういう人に新規営業を獲得するコツっていうセミナーを開くのはどうかなって思って」

 

「あ、それいいかも。そんなコツがあるんだったら知りたいって人、たくさんいると思いますよ。先輩、セミナーやりましょうよ!」

 

 のりこの提案に対して安西のほうが乗り気になっている。

 

「セミナーって、オレがその講師をやるってことか?いやいや、オレは講師ってガラじゃないって」

 

 思いっきり否定をする道房。

 

「本当にそうなのでしょうか。ぜひシェリー・ブレンドに答えを聞いてみてはいかがですか?」

 

 マスターがそう提案する。

 

「シェリー・ブレンドに答えを聞くって、どういうことですか?」

 

 道房はマスターの言った意味が今ひとつ理解できていないようだ。

 

「私の目から見て、ちょっと迷いがあるような気がしたんです。今口では格子のガラではないとおっしゃいましたが、心の奥ではやってみたいという気持ちもあるのでは?」

 

 そう言われて「見抜かれた」という表情を浮かべる道房であった。

 

〜おしらせ〜
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