紗綾にそう言われた真綾は、黙ってこくりとうなずいた。
「えーっ、うそーっ!」
「うそじゃないってば。ねえ、紗綾、こういうときってどうすればいいの?」
「どうすればって、真綾は告白した相手のことをどう思ってるのよ?」
「どうって…まぁ素敵な人かなって思ってるけどさぁ」
「相手はどんな人なの?」
「えっとね、同じ職場の二つ上の先輩。私が新入社員で入ったときにいろいろと指導をしてくれた人なの。優しいけれどちょ
っと抜けたところもあって、そこがなんかいいのよね」「なんだ、真綾もその人のこと気にしてたんだ」
「気にしてたっていうか、いい人だなとは思ってたけど。でもあらためて告白されちゃうと、明日からどうやって顔を合わせればいいのか…」
いつも元気な真綾なのに、今回ばかりは本気で悩んでいる。その姿を見て、紗綾はこんなことを言い出した。
「あのさ、真綾。私に彼氏がいるって話、したことなかったよね」
「えっ、うそっ!紗綾って彼氏いたの?」
「うん、誰にも言ってなかったけど」
「どうして言ってくれなかったのよ。いつからなの?」
「えへへ、実はついこの前から」
「ついこの前って?」
「私が真綾の服を借りた時に告白されたの」
〜おしらせ〜
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