Cafe Shelly next 第10話 似てない双子 その20 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 実は真綾、カフェ・シェリーの旅から戻ってきてすぐに紗綾に洋服を借りてみた。これは逆のことも起きていた。

 

「紗綾ってそんなボーイッシュなのも似合うんだね。しかも髪もポニーテールにして。印象がすごく違う!」

 

 職場でこんなことを言われたのだ。今度は真綾の洋服を紗綾が借りて着てみた。

 

「私だってたまにはこんな格好もしてみるのよ」

 

 職場の同僚に、こともなげにそう言う紗綾ではあったが、実のところ心臓はバクバクしていた。周りからどんな反応があるのか、とても気になっていたからだ。

 

 こんな感じでまずは見た目からそれぞれのものを借りあって、今までの自分という殻を破り始めた二人。そんな二人にもいよいよ見た目以上の大きな変化が現れ始めた。

 

「紗綾、ちょっと相談があるんだけど…」

 

「なに、どうしたの、あらたまって」

 

「あのね、実はね、えっと…」

 

「なにモジモジしてんのよ。いつもの真綾らしくないわね」

 

「だって、こんなの初めてなんだもん」

 

「初めてって、何があったの?」

 

「んとね、そのね、実はね…」

 

「だからぁ、いつもみたいにサバサバっと言っちゃいなさいよ」

 

「もう、こればかりはいつもみたいにいかないの!」

 

「なによ、告白でもされたの?」

 

〜おしらせ〜
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