実は真綾、カフェ・シェリーの旅から戻ってきてすぐに紗綾に洋服を借りてみた。これは逆のことも起きていた。
「紗綾ってそんなボーイッシュなのも似合うんだね。しかも髪もポニーテールにして。印象がすごく違う!」
職場でこんなことを言われたのだ。今度は真綾の洋服を紗綾が借りて着てみた。
「私だってたまにはこんな格好もしてみるのよ」
職場の同僚に、こともなげにそう言う紗綾ではあったが、実のところ心臓はバクバクしていた。周りからどんな反応があるのか、とても気になっていたからだ。
こんな感じでまずは見た目からそれぞれのものを借りあって、今までの自分という殻を破り始めた二人。そんな二人にもいよいよ見た目以上の大きな変化が現れ始めた。
「紗綾、ちょっと相談があるんだけど…」
「なに、どうしたの、あらたまって」
「あのね、実はね、えっと…」
「なにモジモジしてんのよ。いつもの真綾らしくないわね」
「だって、こんなの初めてなんだもん」
「初めてって、何があったの?」
「んとね、そのね、実はね…」
「だからぁ、いつもみたいにサバサバっと言っちゃいなさいよ」
「もう、こればかりはいつもみたいにいかないの!」
「なによ、告白でもされたの?」
〜おしらせ〜
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