「うん。私が紗綾とは同じ格好になりたくないってごねたから。お母さんは双子コーデってのしたかったみたいだけど。でも、私は紗綾とは違うんだってずっと思ってた。でも…」
「でも?」
「今、この魔法のコーヒーを飲んでわかったの。私、もっと紗綾と同じになりたいって。どうして今更こんなこと思っちゃったんだろうね」
真綾はしんみりとした表情でそう語った。
「私も同じ思いなの。私の場合、物心ついたときから真綾とは違う格好、違う性格だって思っていたけど。でも、やっぱり私達って双子なんだなって最近感じてる。どうしてだろうね?」
二人の会話を黙って聞いていたマスターが、こんなことを提案してきた。
「このシェリー・ブレンドは今欲しいと思っているものの答えを教えてくれるんです。今までお二人は双子だけれど各々が違うんだっていうことを周りに知ってほしかった。けれど今は同じになりたい。その答えをシェリー・ブレンドに聞いてみてはいかがでしょうか?」
「シェリー・ブレンドに聞く?」
これも声を揃えてマスターに聞き返す二人。
「はい。飲む前に答えが欲しいと願えば、シェリー・ブレンドは味で答えてくれますよ」
ニコリと笑ってマスターは答えた。
〜おしらせ〜
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