「じゃぁ、早速飲んでみようか」
積極的に行動しようとする真綾。
「でも、なんだかちょっと怖い気もするね」
おっかなびっくりで事を進めようとする紗綾。
けれど、二人ともどうして双子として同じになりたいのか、その意味を知りたいのかの気持ちは持っている。
「じゃぁ、いただきます」
その後の動作も、先程と同じようにシンクロしている。シェリー・ブレンドを飲み、目をつぶる。だが、今度は少し早く紗綾の方が目を開けた。そして小さくつぶやく。
「そうか、そういうことだったんだ」
だが、真綾はまだめをつぶったまま。マスターとのりこ、そして紗綾の視線が真綾に注がれる。
すると突然、真綾は目をパチリとあけて大きな声で叫んだ。
「そうだったんだ!」
その声に驚く三人。
「真綾、何かわかったの?」
「うん、そうか、そうだったんだ。私たちってやっぱり双子だったんだね」
「そ、そうだけど。で、紗綾はこの魔法のコーヒーからどんな答えを導いてもらったの?」
「私ね、ずっと真綾とは違う。双子でもきちんと区別をしてほしいっていう願望があったの。きちんと個性を認めてほしい。けれど、この個性って本当に自分が望んで身につけた個性だったのかなって、そう思った」
〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーを一気に読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/