Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その27 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

『そういえばこの数年間、恋愛なんてしなかったな。かわいいなとかきれいだな、なんて思うことはあっても、好きになるっていうまではなかった。でも今、とても胸がドキドキしている。やばい、のりこさんをそういう目で見てしまいそうだ…』

 

 マスターは心の中でそんなことを思ってしまった。こんな人とこれからずっと一緒に仕事ができる。それだけでも幸せな気持ちになれそうな気がしてきた。

 

「マスター、どうしたの?なんだかボーッとしちゃって」

 

 羽賀のその言葉でハッと我に返った。

 

「あ、いや、これからのりこさんの待遇を考えて…」

 

 あながち間違いではない答えだな。マスターは自分で言ったセリフに妙に納得してしまった。

 

「うん、このお店に来て間違いじゃなかったな。やっぱりうわさどおりのお店だった。今、とても気持ちが晴れ晴れとしているのがわかるわ。よぉし、もっともっとそんな気持ちになれる人を増やしていかなきゃ。あらためてマスター、これからよろしくお願いします」

 

「うん、一緒にがんばっていきましょう」

 

カラン・コロン・カラン

 

 新しいお客様の来店。

 

「いらっしゃいませ」

 

 マスターよりも早くのりこがそう言う。少し遅れてマスターが同じように言う。

 

〜おしらせ〜
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