Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その26 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「やった!」

 

 のりこは思わず叫んでしまった。

 

「これで私、一人じゃなくなるんだ。もう一人ぼっちはいや。マスター、これからよろしくお願いします」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

 この瞬間、カフェ・シェリーはとてもあたたかい空気に包まれた。マスターものりこも、独りじゃなくなる。今まで孤独に仕事をしていたけれど、いつもそばに誰かがいる。その安心感と期待感が、新しい雰囲気をつくりだしてくれたのだ。

 

「ところで、いつからお店に入れますか?」

 

「明日からでも、と言いたいんですけど。さすがにすぐに会社を辞めるわけにはいきませんから。一ヶ月ほどください。でも、有給もたくさん余っているから、それを使って少しずつ顔を出してお店に慣れていきます」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃぁ、今日早速いろいろとお手伝いさせてもらってもいいですか?」

 

「えっ、今日からですか?のりこさんって気が早いなぁ」

 

「うふふ、私ってちょっとせっかちなところもあるんですよね。これをやりたいって思ったら、その道にとことんはまり込んじゃうし。おかげでいろんな失敗もしちゃったからなぁ。仕事も、恋愛も」

 

 恋愛という言葉を聞いて、マスターはドキッとした。

 

〜おしらせ〜
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