「やった!」
のりこは思わず叫んでしまった。
「これで私、一人じゃなくなるんだ。もう一人ぼっちはいや。マスター、これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
この瞬間、カフェ・シェリーはとてもあたたかい空気に包まれた。マスターものりこも、独りじゃなくなる。今まで孤独に仕事をしていたけれど、いつもそばに誰かがいる。その安心感と期待感が、新しい雰囲気をつくりだしてくれたのだ。
「ところで、いつからお店に入れますか?」
「明日からでも、と言いたいんですけど。さすがにすぐに会社を辞めるわけにはいきませんから。一ヶ月ほどください。でも、有給もたくさん余っているから、それを使って少しずつ顔を出してお店に慣れていきます」
「ありがとうございます」
「じゃぁ、今日早速いろいろとお手伝いさせてもらってもいいですか?」
「えっ、今日からですか?のりこさんって気が早いなぁ」
「うふふ、私ってちょっとせっかちなところもあるんですよね。これをやりたいって思ったら、その道にとことんはまり込んじゃうし。おかげでいろんな失敗もしちゃったからなぁ。仕事も、恋愛も」
恋愛という言葉を聞いて、マスターはドキッとした。
〜おしらせ〜
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