Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その25 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「それでさっき、コーチングって言葉に反応したんですね。でも、羽賀さんをご存知なのにさっきまで気づかなかったんですか?」

 

「だって、あのときはスーツ姿でビシッときめていたから。今はジャージでとてもラフな格好されているし、それ以前にシェリー・ブレンドの味を尋ねなきゃって思ってとても緊張していたから、お客様の顔なんてしっかりと見れませんでした」

 

「あはは、そうだったんですね。でもそんなにボクにあこがれてくれていたなんて光栄です。シェリー・ブレンドの味を尋ねた時の言葉なんて完璧ですよ。ね、マスター」

 

「はい、間違いなく私より上手だなって思いました」

 

「じゃぁ私、このお店で働いてもいいんですよね?」

 

「えっ、そ、そうですね…」

 

 マスターは嬉しい反面、責任重大だと感じている。なにしろフリーのライター時代からずっと一人で仕事をしてきたから。人を雇うという経験は始めてである。

 

「マスター、ここは観念してのりこさんを雇ってくださいよ。これは常連客としてのお願いでもあります。マスターだって助かるでしょ」

 

「羽賀さんにそこまで言われたら、のりこさんを雇わずにはいられなくなっちゃいますね。よし、わかりました。そうしましょう」

 

〜おしらせ〜
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