Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その23 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 男性の言葉に、のりこの方が驚いた。

 

「のりこさん、どうして味を尋ねるのをそれだけ待っていたんですか?」

 

 マスターものりこがじっくりと待ったことに対して、その理由を聞いてみたいと思ったようである。

 

「だって、さっきマスターがあちらのお二人に味を聞く時、二人の表情が変化するまで待っていたじゃないですか。だからそうしただけなんですけど」

 

「なるほど、ボクの表情の変化を待っていたんだ。それはすごい。マスターよりも、いやボクよりも相手を観察する力を持っている。うん、マスター、いい店員さんを雇いましたね」

 

「いや、こちらののりこさんは店員じゃなくてお客さんなんですよ。さきほどシェリー・ブレンドを飲んで、私みたいになりたいっていう願望に気づいたんです。それならってことで、次に来たお客様にシェリー・ブレンドを出して味の感想を聞いてみてはと提案したんですよ」

 

「えっ、そうだったんですか。マスターがそろそろ誰か雇わないとっていうことを言っていたから、ボクはてっきり新しく雇ったんだとばかり思っていましたよ。いやぁ、もったいない。この方がお店にいてくれると、ここも華やかになるのになぁ」

 

「私もそう思うんですけどね」

 

〜おしらせ〜
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