Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その22 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 ここですかさずのりこが男性客に質問をした。

 

「どのようなお味がしたんですか?」

 

「いやいや、びっくりですよ。今ね、クライアントさんのことで困っていたので、その答えをシェリー・ブレンドに聞こうと思っていたんです。最初は自分が思ったようなコーヒーの味がしたんです。だから、その方法でいこうかと思ったんです。けれどしばらくしたら口の中で別の味がしました」

 

「別の味?どんな感じだったんですか?」

 

「これが思いもしなかった味で。けれど、その味は前に味わったことのあるものでした。どちらかというとコーヒー牛乳のような甘い味かな。そこからひらめいたんです。このクライアントさん、まずは愛情が必要なんだって。だからまず、ボクが考え方を変えないといけないなって、そう思ったんです」

 

「なるほどぉ。クライアントさんのことなので、これ以上あまり詳しくはお聞きしませんけど。それでうまくいきそうですか?」

 

「えぇ、このままだと間違ったやり方をするところでしたよ。それにしても驚いたな。ボクが二つ目の答えを出すまで、よくボクに質問をするの待っていてくれましたね」

 

「えっ、そうなんですか?私、そうするものだとばかり思っていましたけど」

 

〜おしらせ〜
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