ここですかさずのりこが男性客に質問をした。
「どのようなお味がしたんですか?」
「いやいや、びっくりですよ。今ね、クライアントさんのことで困っていたので、その答えをシェリー・ブレンドに聞こうと思っていたんです。最初は自分が思ったようなコーヒーの味がしたんです。だから、その方法でいこうかと思ったんです。けれどしばらくしたら口の中で別の味がしました」
「別の味?どんな感じだったんですか?」
「これが思いもしなかった味で。けれど、その味は前に味わったことのあるものでした。どちらかというとコーヒー牛乳のような甘い味かな。そこからひらめいたんです。このクライアントさん、まずは愛情が必要なんだって。だからまず、ボクが考え方を変えないといけないなって、そう思ったんです」
「なるほどぉ。クライアントさんのことなので、これ以上あまり詳しくはお聞きしませんけど。それでうまくいきそうですか?」
「えぇ、このままだと間違ったやり方をするところでしたよ。それにしても驚いたな。ボクが二つ目の答えを出すまで、よくボクに質問をするの待っていてくれましたね」
「えっ、そうなんですか?私、そうするものだとばかり思っていましたけど」
〜おしらせ〜
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