Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その19 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 のりこは「コーチング」という言葉に反応した。なにやら一人で納得したようである。

 

「マスター、私にもそれ、できるかな?」

 

「それ、というと?」

 

「マスターと同じように、シェリー・ブレンドを飲んだ人と会話をして、その人が気づいたことを引き出してあげるの。これ、私もやってみたいんです。いや、ぜひやらせてください!」

 

「やらせてくださいって…」

 

 マスターはのりこの勢いに負けて、たじろいでいる。いきなりそんなことを言われて、どう答えればいいのか迷ってしまった。反面、のりこはマスターの目をじっと見つめて、絶対にやるんだという勢いを持っている。

 

「わかりました。じゃぁ、次のお客様が来られたときに、その方と会話をしてみますか?」

 

「ぜひお願いします!」

 

「でも、このままだと不自然ですから。そうですね、次のお客様が来られてシェリー・ブレンドを注文されたら、その方にコーヒーを持っていってください」

 

「はい、わかりました!」

 

 のりこは急に元気になった。こういうのを水を得た魚、というのかな。マスターはのりこの様子を見て、なんだか微笑ましくなった。そのときである。

 

カラン・コロン・カラン

 

 カウベルの音が鳴り響く。お客様の来店である。

 

〜おしらせ〜
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