Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その18 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「それで、私気づいたんです。そうか、私ってマスターみたいになりたいんだって」

 

「えっ、私みたいに、ですか?」

 

「はい。私もマスターみたいに、人の心を癒やしてあげられる、そんな存在になりたいって。そう思ったんです。でも、そういうのってカウンセリングとかの勉強をしないといけないですよね?」

 

「いえいえ、私はそんな勉強はしていませんよ。強いて言えば、ここを譲り受ける前のオーナーさんから学ばせていただいた程度です」

 

「その前のオーナーさんから、どのくらいの期間学ばれたんですか?」

 

「えっと、そうですね、一ヶ月弱くらいかなぁ…」

 

「えぇっ、そんなに短い期間ですか!?それって、マスターにもともと才能があるからじゃないですか?」

 

「いやいや、才能なんて。まぁ、私は以前はフリーのジャーナリストでしたから、インタビューなんかは得意でした。相手の考えを引き出すには、どのような質問をすればいいのかって、なんとなくは理解して使っていたんです。その手法を前オーナーから体系立てて、コツをおしえてもらったんですよ。あ、それと常連さんの中にコーチングの先生もいて、その人からもかなり教わりましたね」

 

「コーチングかぁ…そうか、それか」

 

〜おしらせ〜
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