Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その17 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 そのことに気づいたのりこは、さっき飲んだシェリー・ブレンドの味を思い出していた。

 

「そうか、このことだったのか。だからさっき、あんな味がしたんだ」

 

 そして、のりこはマスターに向かって目で合図をした。自分の話を聞いて欲しい、そんな欲求が高まったのだ。

 

 マスターはのりこが目で何かを訴えているのをすぐに悟った。というよりも、マスターはカウンターにいながらものりこのことが気になっていたので、出ていくタイミングをうかがっていたというほうが正しい。なので、のりこの合図はまさに絶好のタイミングだった。

 

「さきほどの続きをまだうかがっていなかったですね」

 

 ニコリと笑って、マスターはのりこの元へ。のりこもマスターの笑顔につられるように、にこりと笑う。

 

「はい、さっき飲んだシェリー・ブレンドの味を聞いてもらいたくて。私、わかったんです。今のあの二人とマスターのやり取りを見て」

 

「どんなことがわかったんですか?」

 

「実は、さっき飲んだ味って私には今ひとつ理解できなかったんです。だって、飲んだ瞬間にマスターの顔が浮かんできたんですもの」

 

 ふふっと笑ってのりこはそう答えた。マスターとしては自分の顔が浮かんだのは嬉しいことである。

 

〜おしらせ〜
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