「じゃぁ、早速」
そう言ってゆうちゃんは靖雄さんが淹れたシェリー・ブレンドを口に含む。そして目を閉じる。すると、表情が変わっていくのがわかる。なんともいえない笑顔になっている。そして目を開けて興奮して言った言葉がこれだった。
「すごいすごい、私、今これをやりたかったの。そうそう、これよ、これ」
「どんなことなのですか?」
靖雄さんが質問をする。するとゆうちゃん、興奮したままこんなことを話してくれた。
「私、今みんなを喜ばせるために路上パフォーマンスとかやっているんだけど。でもね、一人じゃなかなか心細くて。今見えたのは仲間と一緒になって、大きな舞台に立つことだったの。そうか、仲間か。うん、仲間なのよ、今の私に必要なのは」
ゆうちゃんは今まで一人で頑張ってきた。それは私もよく知っている。気の合う友達はいるだろうけれど、ゆうちゃんと一緒になって活動をするという人はなかなか現れない。だから、一人でやるのが当たり前になっていたようだ。そのゆうちゃんに「仲間」について気づかせたシェリー・ブレンド。やはり靖雄さんは間違いなく魔法を使えるようだ。
「では、どうやって仲間をみつけてみますか?」
「それなのよね、問題は」