第99話 望みのままに その14 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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「この人と何か関係あるの?」

 

「うん、ちょっとね。なんとなくまた会いたいなって思って」

 

 あらためて名刺を見る。マイさんっていうんだ。でも、どうしてあのおねえさんに惹かれたんだろう。なんか不思議な感じがする。

 

 そうして放課後、咲良と一緒に街へと出かけた。

 

「確かこの通りだ」

 

「あ、私この通り好きなのよ」

 

 咲良は隣ではしゃいでいる。でも、その気持ちもよく分かる。カフェ・シェリーのある通りは街なかと駅の間にある路地を入ったところ。パステル色のタイルで敷き詰められ、両側にはいろんなお店が並んでいる。なんとなく気持ちが弾む場所だな。

 

「あ、あったあった。これでしょ」

 

 咲良が先にお店を見つけてくれた。というより、お店の看板を見つけてくれた。黒板の看板にはメニュー以外にこんな言葉が書かれてあった。

 

「明るい望みを持てば明るい人生が訪れますよ」

 

 明るい望みかぁ。思えば私には暗い人生しかない。そもそも双子のかなえの存在が、私の人生を暗くしているんだ。美人で才能があって成績優秀で。みんなかなえの方ばかり見ているんだから。私には誰も振り向いてなんかくれない。

 

「早く行こっ」

 

 咲良は軽い足取りでビルの二階へと上がっていった。

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