第99話 望みのままに その15 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


テーマ:

カラン・コロン・カラン

 

 扉を開けると、心地よいカウベルの音。それとともにコーヒーの香りがただよってくる。なんか大人の雰囲気に包まれたって感じがするな。

 

「いらっしゃいませ」

 

 同時に聞こえてくる女性の声。あのおねえさん、マイさんの声だ。恐る恐るお店に足を踏み入れる。するとおねえさんの方から私に気付いてくれた。

 

「あ、今朝の女の子!」

 

「こんにちはー」

 

 すると、別の方向から男性の声がした。

 

「あ、君がマイとぶつかりそうになった子か。大丈夫だったかな?」

 

 声の方向を向くと、渋い男性がカウンターに立っていた。おそらくこの店のマスターだろう。

 

「今朝はごめんなさい。私、急いでいたものでそれであわてて交差点に侵入しちゃって」

 

 私は深々と頭を下げて謝罪の言葉を伝えた。今朝、言えなかった言葉をようやく口にすることができた。

 

「私こそごめんなさい。今朝は忘れ物をしちゃって。それであわててお店に出勤してきたものだからあんなことになっちゃって」

 

 マイさんも同じように深々と頭を下げる。そして目を見合わす。お互いに笑顔があふれてきた。

 

「えっ、どういうこと?のぞみ、何があったの?」

 

 咲良だけが事情をつかめずにキョロキョロしていた。

日向ひなたさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス