青く明るい光が店に差し込んだかと思うと、
「やあ、しばらく」
「やあ、元気だった?6年ぶりだね」
「仕方ないさ、3光年も離れてちゃね」
灰色をして大きな栗のような形をした目と、目より大きな鼻と
小さな口の彼が久しぶりに来た。
鼻は匂いを嗅ぐというより、その場所が彼らの生存に適してるか
どうかを判断する器官、口は栄養を補給する器官だった。
会話は話すというより相互で理解するという感じで、本心でお互いの意思を疎通させる。嘘がつけないというのはある意味では
合理的とも言えそう。
「久しぶりに来たら、店の場所は変わってるしビックリしたよ」
「あの後、地球はcov-19というウィルスで大騒ぎになって、うちの店も閉店してここに来たんだ。」
「へえー、大変だったね。ところでまた、モカが飲みたいんだけど、ある?」
「あるよ、でも種類が増えたよ、モカマタリ、バニーマタル、
イルガチャフェ、コチャレ、ゲイシャ」
「迷うなぁ、やっぱりモカマタリ貰おうかな、これを飲みたくて3年かけてここまで来たんだ」
彼は満足そうに私が淹れたモカマタリを飲んでいた。本当に好きなんだ。
「今度会えるのはまた6年後かい?その時、店やってるかわからないよ」
「いや、大丈夫、これが飲めるならって、地球に引っ越してきた、家族や友人を連れてね」
と言うと、彼は顔を引っ張ったり、ぺんぺん叩いたり、頭をぐりぐりしたり、肩をトントン、胸をパンパン、お尻をペンペン、腰をキュルっと回して、まるでマカレナを踊っているみたい。で、
ふと彼をみると、はて?どこかで見たような。