ドラクエ3冒険日記(6) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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ノアニールでの情報を頼りに、オルテガの道筋を辿り、
アッサラームに到着したかいん一同。

ここアッサラームは、ベリーダンスで有名な町。
夜にこそ、アッサラームの真の姿があるという。
そう聞いたかいん達は、夜を待ち、再びアッサラームの町を訪れる。

夜のアッサラームは、昼とは別の町のようだった。
町の中央で、かいんは若い女性に声を掛けられる。
なんでも、ぱふぱふをしていかないか、と言うのである。

ぱふぱふ?
かいんには「ぱふぱふ」とは何なのか、わからなかった。
言葉の響きからすると、
「ぱふ」を2回以上繰り返すことであるとは思うが、
「ぱふ」が何を意味するのかも、もちろんわからない。

傍目に見ていた、いぶも、
「ぱふ」が何のことなのかわからないでいた。
不思議な怪獣の名前かなんかかなぁ、などと思っていた。
しかし、誘っている女性は人間であり、怪獣ではない。
そこまで考えて、いぶはある呪文に心当たりがあるのを思い出した。
人間が竜に変身する呪文。
そんな高等呪文が確か存在したはず。
とすると、かいんが今誘われているのは・・・?
いぶは、2匹の巨竜とかいんが戯れている姿を想像していた。
かいんは、まだわかっていないみたいだけど、
おもしろそうだから、何も言わないでおこう。
いぶは、こう考えていたが、果たして、いぶの考えは正しいのか。

よくわからないながら、
誘われるままに女性について行くかいん。
「お前も好きだなぁ。」
かいんの背中から声を掛けながら、
あだむとあべるは、気を使って、かいんから離れた。
いぶもかいんから離れたが、
あだむやあべるとは違う理由からだった。
気を使ったわけではなく、巨竜の被害を受けないため、だった。


「こ、これは・・・。き、気持ちいい!」
無口なかいんだったが、
「ぱふぱふ」の気持ちの良さに、思わず声を出した。

「ぱふぱふ」とは、女性の父親によるマッサージだった。
長旅に、少し疲れていたかいんは、
このマッサージに大いに癒された。
そして、満面の笑みであだむ達のもとに戻る。

「どうだった?」
あだむが、かいんに訪ねる。
かいんは、目を輝かせて、大きく頷いた。
「そうか、よかったな。」
そう言うあだむが半笑いなのが、かいんには気になった。
あべるが、やたら優しい目で見ながら小さく頷くのも気になった。
いぶが、渡そうとした薬草を引っ込めながら、
不思議そうに、かいんの顔を覗くのも気になった。
気にはなったものの、
その理由をわざわざ聞く必要もないと思うかいん。
かいんと、あだむと、あべると、いぶ。
果たして、誰と誰が同じことを想像していたのか。
かいんがそれを知る術はない。


さて、アッサラームに来た理由は、
魔法の鍵の情報について知りたいためであって、
「ぱふぱふ」のためではない。
オルテガの手掛かりを知りたいためであって、
ベリーダンスのためではない。
そんなかいんの気持ちを知ってか知らずか、
ある人物が、魔法の鍵に詳しい沼地の老人のことを教えてくれる。
もしかしたら、10年前に、
オルテガに同じことを言ったのではないか、
と、勘繰るかいんだったが、
とにかく、老人に会いに行くことにした。

老人は教えてくれた。
魔法の鍵はピラミッドにあるが、まずはオアシスのイシスを目指せ、
と。


ソクラスは、ここイシスに住む青年。
彼は、商いをするでも、城仕えをするでも、畑仕事をするでもなく、
毎日、天を眺めながら1日を過ごしていた。
しかし、ただ漫然と過ごしているわけではなかった。
彼は、日が昇ると、夜になるのをじっと待った。
日が沈むと、朝になるのをじっと待った。
次の日も、その次の日も、毎日ただそれだけを繰り返した。
哲学という概念がないこのイシスで、
彼の行動を理解する者は少なかった。
それでも、彼は、天を眺め続けた。
ある日、ソクラスは、4人組の旅人に声を掛けられる。
ソクラスは、言った。
「私は、夜が来るのを待っています。」と。
ソクラスがそう言うのは、日常的なことであるのだが、
旅人たちはそうは思わなかったことが、
夜になって、ソクラスにもわかった。
昼会ったばかりなのに、
旅人たちは、夜にまたソクラスの家を訪問した。
ソクラスには、
旅人たちの考えていることが手に取るようにわかっていたが、
結局、これ以上の言葉は出なかった。
「私は、朝が来るのを待っています。」と。
旅人たちが、ガッカリした様子だったのは、
ソクラスから見ても明らかだった。
一方で、ソクラスのほうは、
旅人のひとりが身に付けている腕輪に目を惹かれていた。
昼間会ったときには、身に付けていなかったように思う。
もしかすると、
あれが、イシス王宮の秘宝、星降る腕輪なのかもしれない。
ソクラスは、立ち去る旅人にうやうやしく一礼をして、
そして、また朝が来るのをじっと待つのだった。


かいん(勇者・男):レベル11、HP82
あだむ(戦士・男):レベル13、HP94
あべる(商人・男):レベル14、HP105
いぶ(魔法使い・女):レベル12、HP52





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