海外スマートシティ照準に建設コンサル5社が新会社
(ケンプラッツ 2012/02/02)
建設技術研究所など建設コンサルタント5社は1月31日、海外の大型都市開発事業への参画を目的とした新会社「インフラックス」を立ち上げると発表した。建設技術研究所のほか、E・Jホールディングス、国際航業、長大、三井共同建設コンサルタントが共同で出資する。
社名は、「インフラ」にアルファベットの「X」を組み合わせた。建設技術研究所の阿部令一副社長は「X(エックス)という文字に、新たなマーケットで飛躍したいという意味を込めた。欧米の同業他社に対抗できる競争力を持った、日本を代表する企業を目指す」と意欲を見せる。
新会社の資本金は1億7000万円で、出資比率は建設技術研究所が29.4%、ほかの4社がそれぞれ17.65%になる予定だ。同日付で基本合意書に調印し、2月末に手続きを終える。先端的な事業の支援を目的に政府と民間企業が共同で設立した産業革新機構に対しても、出資を要請中だ。
建設コンサルタント会社の海外展開に関しては、2011年12月にオリエンタルコンサルタンツを子会社に持つACKグループが、パシフィックコンサルタンツグループと海外インフラ分野を手掛ける合弁会社「InterAct」を今春にも設立すると発表したばかり。国内市場が縮小するなか、建設コンサルタント会社の間で海外市場の攻略に向けて提携する動きが広がってきた。
アジアの都市開発を狙う
インフラックスがターゲットにするのは、東南アジアや中国で計画が持ち上がっている環境に配慮した都市開発プロジェクトだ。各社の強みを生かしながら、こうした「スマートシティ」の案件形成を目指す。
建設技術研究所の大島一哉社長は「民間の資本が主体となる大規模な開発案件は、1社では取っ掛かりすらつかみづらいのが実情だ。それぞれ得意分野を持つ5社が協力すれば、間口が広がる」と語る。
共同出資する企業も「ネットワークを利用し合う事業展開が期待できる」(E・Jホールディングスの小谷裕司社長)、「今ある仕事を分け合うのではなく、新たな案件を開拓したい」(国際航業の中原修社長)、「エコシティ建設には多様な技術が必要になる。その一員として協力したい」(長大の永治泰司社長)、「ODA案件以外の海外事業を育てるうえで、参加のメリットは大きい」(三井共同建設コンサルタントの廣畑彰一社長)などと口々に期待感を述べる。
ただし、インフラックスに出資する5社の直近の海外売上高は、合計しても年間100億円に満たない。欧米の企業だけではなく、海外展開で先行する日本工営などとも競い合わなければならないなど、先行きは厳しい。
環境技術などをパッケージ化した海外の都市開発プロジェクトについては、経済産業省が「スマートコミュニティ」、国土交通省が「エコシティ」などと銘打って官民挙げての受注を目指している。建設技術研究所の大島社長は「国がターゲットにしている地域に関して優先して調査を進め、具体的な案件になるべく早く手を上げたい」と語る。