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Real-World Implications of Updated Surviving Sepsis Campaign Antibiotic Timing Recommendations*

Surviving Sepsis Campaign (SSC) の抗生剤タイミング。Shockあり1時間、無し3時間、みたいなのでしたっけ?

リアルワールド。
レトロ。
USA12施設。

救急外来での重症感染疑い患者、166559名。

このうち、Shock無しで感染がPossibleな患者に対するデータ。
抗生剤投与までの時間
(5.5 hr; [IQR], 3.2–9.8 hr)
低い死亡率 (2%).
を示した。

Shock無しで、感染がProbableな患者に対するデータ。
抗生剤投与までの時間
3.2 hours (IQR, 2.1–5.1 hr)
死亡率  3%.

Shockありで、 probable感染では、
抗生剤 2.7 hours (IQR, 1.7–4.6 hr)
死亡率 17%,

Shockありでpossible 感染では、
抗生剤 6.9 hours (IQR, 3.5–16.3 hr)
死亡率 12%.

だったと。

ん?
なんか、、、、遅い気がするけど、、、?
こんなもんっすか?

下のEditorial見て知ったんすけど、、、、
ガイドラインでは、Shock無しバージョンでは、
抗生剤をむしろ、遅らせる、って推奨なんすね?
感染じゃない病態、細菌が関与しない感染への抗生剤、などを避けるため、だそうです。
なるほど〜。
3時間以降の抗生剤、だってさ。
それを守っても、死亡率は低いって言うリアルデータ証明、と言う意味合いのStudy、 だそうです。
Editorial読まんと、わからんね。。。
ってことで、
長めだけど、Editorial読んでみてね。
うーん、
速攻で、抗生剤入れよ、と言う時代じゃないんすねもう。でも、それで遅れると、逆効果だから、見極めだけど、まあ、Shockある無しは一つだよね。

では、、、、
翻訳でEditorialを。
Victories and Opportunities in the Surviving Sepsis Campaign’s Antibiotic Timing Guidance*

タイムリーで適切な抗生物質は、敗血症または敗血症性ショック患者にとって最も効果的な治療法です(1,2)。しかし、敗血症の治療を担当するベッドサイド臨床医は、敗血症のように見える症候群を呈する患者の3分の1以上が非細菌性感染症(すなわち、ウイルス)または非感染性疾患を有するという課題に直面している(3,4)。したがって、臨床医は、実際に細菌性敗血症を患っている患者に対する早期かつ適切な抗菌治療の必要性と、そうでない人にとっては不必要な抗生物質の集団リスクを比較検討する必要があります。

2004年から2017年に発表された生存敗血症キャンペーンの最初の4つのバージョンは、この臨床的課題を認めていませんでしたが、単に認識から1時間以内に敗血症または敗血症性ショックのすべての患者を治療することを推奨しました。このアプローチは、感染していない患者に対する抗生物質の過剰使用と早期診断の閉鎖を促進することを恐れて、かなりの論争を引き起こした。アメリカ感染症協会は2017年に生存敗血症キャンペーンガイドラインの支持を撤回し、米国救急医師会は2021年に独自の敗血症ガイドラインを書くことを選択しました(5,6)。

2021年版の生存敗血症キャンペーンガイドラインは、パラダイムを変えることで、この論争の量を下げた。敗血症または敗血症性ショックのすべての患者に単一の均一な勧告を提供する代わりに、2021年のガイドラインは、細菌感染の確率と病気の重症度に基づいて、各患者の抗生物質管理をカスタマイズすることを推奨しました(7)。明確な敗血症または敗血症性ショックの可能性のある患者の場合、ガイドラインは認識から1時間以内に治療を引き続き推奨しています。しかし、敗血症の可能性があり、ショックのない患者については、ガイドラインは、抗生物質を投与する前に患者の診断を明確にするための迅速で積極的な調査を提案しています。これには、標的診断(例えば、断面イメージング、呼吸器ウイルスパネル、血液検査)および/または非感染性状態(例えば、利食薬、体液、鎮痛薬、オピオイド拮抗薬、気管支拡張薬、速度制御、抗凝固など)の治療に対する患者の反応を観察することができます。抗生物質は、感染の懸念が3時間以上続く場合にのみ推奨されます。感染の可能性が低く、ショックのない患者の場合、ガイドラインは、確率が変化した場合に備えて患者を監視し続けながら、抗菌剤を完全に延期することを提案しています。

改訂された勧告は、敗血症性ショックを有するが、敗血症の可能性があるがショックがない患者の到着後3〜5時間以内に関連性がほとんどまたはまったくない患者の抗生物質までの時間と死亡率との間の強い関連性を報告する大量の文献に基づいています(8-10)。しかし、これまでの研究では、患者が感染の可能性と敗血症性ショックの存在と不在によって層別化される生存敗血症キャンペーンガイドラインの改訂された枠組みを直接評価していません。

クリティカルケア医学の新しい研究は、まさにこれを行います。テイラーら(11)は、2017年から2021年の間にアトリウムヘルスに所属する12の病院の救急部門で培養と抗生物質を注文した166,556人の患者を遡及的に評価した。彼らは、4日以上の抗生物質と1〜3日の抗生物質の受領を予測する機械学習モデルを使用して、各患者の感染確率を計算しました。4日以上の抗生物質を投与する可能性が50%以上の患者は「感染の可能性」に分類され、確率が50%未満の患者は「感染の可能性」に分類されました。その後、これら2つのグループを、ショックのある患者(低血圧、乳酸レベルの上昇、またはバソプレッサー要件によって定義される)とショックのない患者に分けました。これにより、人口は効果的に4つのグループに分類されました。ショックによる感染の可能性、ショックのない感染の可能性、ショックによる感染の可能性、ショックのない感染の可能性です。その後、各グループの規模、抗生物質までの時間の中央値、および粗い病院死亡率について報告しました。

研究者の重要な発見は、感染の可能性があるがショックのない患者は、救急部で感染の治療を受けた人口の30%を占めていたということでした。これらの患者は、到着後中央値5.5時間(四分位範囲、3.2〜9.8時間)の抗生物質を投与されたが、死亡率はわずか1.9%だった。この死亡率は、他の3つのグループの死亡率よりも大幅に低かった:ショックのない感染の可能性は2.8%、ショックによる感染の可能性は12%、ショックによる感染の可能性は17%。著者らは、更新された生存敗血症キャンペーンの推奨事項は、抗生物質までより長い間隔を安全に許容できる患者の大規模なグループを適切に特定し、臨床医が抗菌薬を開始する前に診断の明確化に取り組む時間を増やすことができ、うまくいけば、不要な抗生物質コースと過度に広範な抗生物質レジメンを減らし、より多くの診断の明確性を促進すると結論付けました。

テイラーら(11)による研究は、いくつかの有用な貢献を提供します。まず、抗生物質の使用は救急部門で非常に一般的ですが、感染は治療された患者のほんの一部でしか確認されていないことを思い出させます。このコホートでは、救急部を介して入院した患者の30%が細菌感染の疑いのために抗生物質を投与されたが、感染の懸念はわずか3分の2で4日以上持続した。これは他の人の調査結果を反映し、抗生物質スチュワードシップを改善する十分な機会を示唆し、細菌感染の迅速な診断テストの必要性を強調しています(4)。第二に、テイラーら(11)による研究は、敗血症の可能性が楽しまれているすべての患者が1時間以内に抗生物質を投与される必要はないという原則に対する追加のサポートを提供します。かなりの割合の患者は、抗生物質までより長い間隔に耐えることができます。これは、臨床医が抗生物質を開始する前に診断を明確にしようとする時間を可能にする重要な利点です。第三に、臨床医はすでに患者をリスク階層化し、深刻な感染の疑いのレベルに応じて異なる方法で治療しています。テイラーら(11)による研究で感染の可能性のある患者は、到着後中央値5.5〜6.9時間の抗生物質で治療されたが、感染の可能性が高い患者は到着後中央値2.7〜3.2時間治療された。これは、患者を層別化するための生存敗血症キャンペーンの推奨事項が実現可能であり、既存の臨床実践と一致していることを確認するのに役立ちます。

もちろん、この記事には重要な制限があります。まず第一に、それは観察データのレトロスペクティブ分析であり、異なる管理戦略の将来のランダム化比較ではありませんでした。テイラーら(11)による研究は、到着後中央値5.5時間の抗生物質を投与したにもかかわらず、ショックなしで感染する可能性のある患者の安心できるほど低い死亡率を報告したが、これらの患者がより早く治療されていた場合、結果がさらに良かったかどうかはわからない。リスク層別化抗生物質治療の決定のための生存敗血症キャンペーンフレームワークは、理想的には、安全性を確認し、抗生物質の使用、適切性、悪影響、および患者の転帰への影響を定量化するために、将来のランダム化試験を必要とします。第二に、この研究は、敗血症の認識ではなく、救急部門の到着と比較して抗生物質までの時間を報告したため、調査結果は生存敗血症キャンペーンのガイダンスに完全に翻訳できるものではありません。多くの患者が到着後数時間まで敗血症の診断基準を満たしていないため、これは重要です(12)。第三に、研究者は、感染の可能性(「抗生物質の≥4 d」)のための良いが不完全な参照基準を使用しました。この測定値の感度は約55%、正の予測値は約85%です(13)。さらに、予測アルゴリズムはうまく機能しましたが、完璧ではないため、さらなる誤分類が追加された可能性があります。第四に、この研究は、患者の将来の治療コースに基づいて、救急部門の臨床医の疑いのレベルを帰属させた。患者が最初に現れたとき、臨床医がリアルタイムで何を考えていたのかわかりません。いくつかの症候群は感染に対して非常に疑わしく見えたかもしれませんが、その後非感染性またはその逆であることが判明しました。これは、リアルタイムで感染確率を計算することは非常に困難であり、生存敗血症キャンペーンの枠組みでは、臨床医がかなりの判断を下す必要があることを思い出させます。心強いことに、テイラーら(11)による研究は、臨床医がすでにこれを行い、一般的に低リスク患者と高リスクの患者を区別できることを示唆している。

最後に、感染の可能性が高い患者の死亡率も非常に低かったが、抗生物質までの中央値3.2時間にもかかわらず、ショック(3%)はなかった。これは、臨床医に1時間以内にこのグループを治療することを要求することも不必要に制約されている可能性があることを示唆しています(ただし、これらの患者のうち何人が、合併症のない感染だけでなく、臓器機能不全を伴う真の敗血症を持っていたかはわかりません)。より広義には、生存敗血症キャンペーンの抗生物質ガイダンスとテイラーら(11)による研究の両方が、敗血症の可能性のある救急部に提示する患者の間にかなりの不均一性があることを確認しています。生存敗血症キャンペーンは、2つの次元(感染と存在の可能性とショックの欠如)にまたがって患者を層別化しますが、これらのグループは依然として非常に幅広い患者とプレゼンテーションを網羅しています。抗生物質までの時間に応じて、結果の有意義な違いに関連する他の臨床変数があるかもしれないと疑うことは合理的です。例えば、感染や多臓器不全、重度の免疫不全、髄膜炎の可能性のある患者は、ショックがなくても、即時の抗生物質の恩恵を受ける可能性があります(14,15)。

全体として、抗生物質のタイミングに関する現在の生存敗血症キャンペーンのガイダンスは大きな前進ですが、さらに洗練の余地がある可能性があります。可能性には、感染の可能性があるがショックのない患者の調査期間を延長し、選択された高リスク患者をショックなしで治療するための時間枠を短縮することが含まれます。追加の調査員がテイラーら(11)の指導に従い、可能性のあるが未確認の重篤な感染症の患者に対する抗生物質指導をさらにテストし、改善するのに役立つことを願っています。





Analgesia and Sedation Use During Noninvasive Ventilation for Acute Respiratory Failure

急性呼吸不全でNiPPV。
その時の鎮静?っすか。
うーん、、、Dex一択っすけど、どーなんすかね?
レトロデータ。

433,357 patients。
26.7% [95% CI] 26.3%–27.0%)で、鎮静が行われた。
ほお、3/4は、ナーンも無しっすかあ。

50,589 patients (11.7%) が麻薬単独、
40,646 (9.4%) がベンゾ単独、
20,146 (4.6%) が麻薬とベンゾ、
1.573 (0.4%) がDex単独、
2,639 (0.6%) が、麻薬かベンゾにDex併用
だった。
へー、3種類だけっす。
日本だとPropoも使ってますよねえ、
逆に麻薬単独ってみないっすよね。
なんか、
麻薬もベンゾも、予後悪化因子な気がするんで使いにくいっす。

2〜5日挿管か〜30日死亡となったのは、 50,413 (11.6%; 95% CI, 11.5–11.7%)

挿管は、32,301 (7.4%; 95% CI, 7.3–7.6%).
死亡は 24,140 (5.6%; 95% CI, 5.5–5.7%).

鎮静剤使用は、挿管、死亡、と関連があった。
死亡 OR 1.38; 95% CI, 1.35–1.40

ん。
鎮静するから死亡が高いのか、
鎮静を要するほど呼吸努力が強いから、そもそも使用例で悪いのか。
僕は、後者な気がしますが。。。。




Antipsychotics in the Treatment of Delirium in Critically Ill Patients: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials*

ICUせん妄と、抗精神病薬。
ま、、、、闇の部分っす。

5 RCTs ( n = 1750) 。
精神病薬は、プラセボと比較して、
せん妄、昏睡、の期間を減らさず。
difference 0.90 d; 95% CI, –0.32 to 2.12;

他、
死亡、呼吸器期間、ICU滞在、在院、にも関与せず。

副反応にも差は無し。
RR 1.27; 95% CI, 0.71–2.30;

サブ解析で、精神病薬の種類、
typical、 atypical 、
でも、結果に差はない。

効かないんすよねえ、、、、
でも、他に使う薬もないから、、、
効かないけど、使うみたいな、、、
闇の領域っす。



Effect of Increasing Blood Pressure on Brain Tissue Oxygenation in Adults After Severe Traumatic Brain Injury*

頭部外傷患者、血圧と脳組織酸素飽和度。
レトロ。

93 patients。
年齢31; [IQR], 24–44 yr、 69.9%男子。
head abbreviated injury score 5 (IQR 4–5),
入室時 GCS 3 (IQR 3–5)

平均血圧25.7% 上昇で、
中枢還流圧は34.2% 上昇、
脳組織酸素飽和度は16.3% 上昇

中枢自動調節が障害されている場合、
平均血圧上昇で、ICP 上昇した。
(8.9% vs. 3.8%, p = 0.06).

血圧上昇に対する脳組織酸素の変化は4パターン。normal and maintained [group 1: 58.5%],
normal and deteriorated [group 2: 2.2%; average 45.2% PbtO 2 decrease],
low and improved [group 3: 12.8%; average 44% PbtO 2 increase],
low and not improved [group 4: 25.8%]

日本語だと、
正常、変化せず、
正常、悪化、
低下、改善
低下、改善せず、
の4郡。

ETCO 2 5.9% 上昇が関連するのは、自動調節が障害されたGroup2、だった。

うーん、
単純に上げりゃあ良いってもんでもないし、
CO2も昔ほど重要視されないのかなあ。。。。。




The Efficacy of Low-Titer Group O Whole Blood Compared With Component Therapy in Civilian Trauma Patients: A Meta-Analysis

お、流行りのO型全血。
軍隊では、最早、主流になったらしいです。僕、軍人じゃないから、噂話として、、、、ですけど。
そもそも、なんで、全血でええねん?
じゃ、O型のFFPって、入れ放題やん?ってか、何型でもFFPって良いの⁈、
なーんて思いますよね?
でも、一応は、
O型の中でも、血漿中の、A、B抗体が少ない人での全血だからOk、と言うことに、なってます。
ホント、、、、ことになってる、で済ませて良いんかい⁈ ちょっとでも入ったらダメなんちゃうん⁈、と思ってましたけど、、、、
ちょっとなら、、、、良いそうです‼︎
って言う、ね、
やってみて大丈夫だったから、キット大丈夫‼︎ みたいなね、体育会系のノリっす。

じゃ、民間の外相領域でも行けるか、っちゅう話。

24Study解析。
58,717 名、この内、5,164 がO型全血を投与された。

11 studiesは成人のみ、
7で、成人、青年
6で小児のみ、
の対象Studyだった。

O型全血vs標準で、
年齢は変わらず、
35 years (24–39)vs 35.5 years (23–39),

14 studiesで早期死亡率、
22 studies で後期(30日)死亡率
を評価していた。

で、
O型全血は、
24-hour生存改善
[RRs] [95% CI] = 1.07 [1.03–1.12]

後期死亡改善
RR [95% CI] = 1.05 [1.01–1.09]
を示した。

ん。
ってことは、心臓手術とかでも応用が効くんでしょうな。