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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

やばい、溜め込んだ。。。。

Povidone Iodine vs Chlorhexidine Gluconate in Alcohol for Preoperative Skin Antisepsis
A Randomized Clinical Trial

術野の消毒。
クロルヘキシジン時代になってみたものの、、、、
アルコール入り消毒なら、イソジンでもいーんじゃね?感は拭えません。
ま、最後綺麗にしないで良いから楽だけどね。

3360 patients 。
心臓、腹部手術患者。
(cardiac, n = 2187 [65%]; abdominal, n = 1173 [35%]).

月毎に、消毒薬を変える方法。
Primary outcomeは、
腹部 30日 SSI
心臓 一年SSI。

イソジン  1598 patients
クロルヘキシジン 1762 patients

年齢 65.0 years (39.0-79.0)vs 65.0 years (41.0-78.0)

SSIs は、
イソジン 80 patients (5.1%)
クロルヘキシジン  97 (5.5%)
difference 0.4% (95% CI, −1.1% to 2.0%)
非劣性。
RR 0.92 (95% CI, 0.69-1.23).

cardiac surgery, だけSSIs
イソジン 4.2%
クロルヘキシジン  3.3%
RR, 1.26 [95% CI, 0.82-1.94]

abdominal surgery,だけ SSIs
イソジン 6.8%
クロルヘキシジン 9.9%
RR, 0.69 [95% CI, 0.46-1.02]).

最近、解放骨折?かなんかだと、
イソジンのが良いかも疑惑もあるし、
ま、、、、どっちでもっすよね。
それよりアルコール入りのがBetter、ってこと。
うちは、、、アルコールなしなんすよねえ、、、
一回、燃やしてしまったですよ、、、、何を、とは言わんが。







Risks of Restrictive Versus Liberal Red Blood Cell Transfusion Strategies in Patients With Cardiovascular Disease: An Updated Meta-Analysis

輸血のメタ解析。
制限輸血は非劣性、が、世の流れの中、、、、

うーん、
心臓疾患イベントは、リスクある人の場合、
制限することで、イベント増加の可能性が、、、
なんか、ありそうなデータなんすよ。

僕も最近は、制限にこだわらないっす。
ある程度寛容に、Hbだけじゃなく、全体のVitalとか、色々ね、基礎疾患もそうだし、
自由、、、、程かはわからんけど、
制限ほどは、厳しくない、
寛容輸血、、、、っていうの?かなあ、
そんなもんで、いいと思うように。

厳格な血糖とか、
制限しすぎた輸液管理でAKI増えたりとか、
あんまりね、
頑張りすぎるといいことがないのは、この世界のよく見る話。
寛容でいきましょうや。
入れすぎはいかんけど、無理ない範囲で入れましょう、くらいなノリのがね、いいと思うっす。

挙がってる具体例少しだけ。

3Study、 4222名。
リスクある非心臓手術患者データ。
死亡は、
自由郡334 (10.4%).
制限郡 398 (12.4%).
RR , 0.87 [95% CI, 0.76–0.99]; P=0.03;

ACS頻度は、
自由 244 (8.4%);
制限 309 (10.5%).
RR 0.82 [95% CI, 0.70–0.96]; P=0.01;

など。

無理は禁物感が出てますよねー。

ちょっと前に出た、
Liberal or Restrictive Transfusion Strategy in Patients with Traumatic Brain Injury

でもね、
有意差はないけどね、
なんとなーく、数字の上では、制限でどうなのかな〜、と思う感じだしね。
無理は厳禁ですよ、寛容一番。色んな意味で。



Association Between Sudden Cardiac Arrest and Energy Drink Consumption

怖っ。
基礎疾患(先天性QT延長とか)がある患者。
エナジードリンクにより、Shockを起こす可能性があると。

エナジードリンク接種やめたらそれ以降発作なし、、、、と言う恐ろしい話。

ま、、、、DMの元でもあるしね、、、、
どんな機序なんすかね?
気になる〜。


The Risk of Aircraft-Acquired SARS-CoV-2 Transmission during Commercial Flights: A Systematic Review

へー。
飛行機、マスク、コロナ。
今はもう、誰も気にしてないっすけど。

マスク矯正だと、ほぼ、コロナ感染は起きないと。
マスクしてないと、
時間経過が増えるほど、コロナ感染は増えると。
3時間以内フライトより、
3〜6時間は5倍増えて、
6時間以上は、なんと、26倍、増えるって。

へー。
長時間フライトは、マスク必須のが好ましいんすね。 
たかがマスク、されどマスク。。。。
でももう、
みんなかかるの上等、で生きてますから。。。。



Effects of moderate alcohol consumption and hypobaric hypoxia: implications for passengers' sleep, oxygen saturation and heart rate on long-haul flights.

もいっこ、飛行機ネタ。
飛行機だと、健常人でもSat低下してるのはよく知られてます。Sat90%とか、意外とザラにいるらしいです。

んで、アルコール。
その低酸素を悪化させ、更には脈拍を上げる、って。
だから、肺と心臓へ悪影響の可能性。
飛行機で酒、、、、飲まんでもええやん?
って常々思うんすけど、、、
医学的にもそのようでしょ。
とは言え、、、、良いシートの人は、ベロンベロンに飲んじゃったりするっすよねえー。



Antiplatelet therapy after coronary artery bypass surgery: five year follow-up of randomised DACAB trial.

中国のデータかつ、Pがちょうど0.05と言う、
やや信憑性が、、、とも思うけど、
BMJに載るんだから、まあ、ちゃんとしてる判断。

時代と逆行しているようにも見えますが、
簡単に言うと、
CABG後、DAPTを1年続けると、
5年時点での心臓血管イベントが、低下する、
と言う話、です。

500名。
5年時点のMACEの発生リスク
DAPT群vs ASA短期、
(22.6% vs.29.9%、
HR0.65[95%CI:0.43~0.99]、p=0.04)、

DAPT vs チカグレロル単剤
(22.6% vs.32.9%、
HR 0.66[0.44~1.00]、p=0.05)
です。

どーなんすかね?
PCI後、一年から半年、そして3ヶ月。
更には1ヶ月にしようなんて試みがある中、
本来、理論的のは抗血小板少ない、ない、で良いはずのCABGの方で、長期DAPT、、、、っすかあ。
それって、開存率? CABGしてない残存Coronary、どっちに良いんすかね?
さあ、、、、一体、どーなんのかね?
せめてねえ、1ヶ月とかならまだしも。
あとは、サフェナ以外の血管でも効果的なのかとかも含めてねえ、一気に変わることはないでしょうな。



Thromboembolic Events and Vascular Dementia in Patients With Atrial Fibrillation and Low Apparent Stroke Risk

おっと、Nature、っす‼︎
Af、
CHA2DS2-VASc scoreが0〜1の人は、
抗凝固薬なしで良い、ことになっていますが、、、、。

この人たちの、Stroke頻度は、3.8% ‼︎と、思った以上に高く、
血管性痴呆 HR, 1.68
全死亡 HR, 1.44
と、
有意に関連する事項であった、と。

つまりは、
CHA2DS2-VASc score 0〜1も、治療対象ダヨ、と。
ですよね。
時々、そんな話題も出てたけど、Nature出たら確定っす。
どんなAfでも、抗凝固薬使用せよ、です。
後はね、、、、
アブれるのはアブってこうぜ、と、なるんでしょうな。



Safety and Efficacy of Vocacapsaicin for Management of Postsurgical Pain: A Randomized Clinical Trial.

カプサイシン。
辛味とね、痛みってね、確かに似たような受容体っすわな。
んで、
ボカカプサイシンなる物質を術野へ局所投与。
すると、96時間までの麻薬消費が、半分に‼︎
って言う話。
ま、
応用できるようになりゃ、やりゃあええですな。
局所投与なら、悪いことはほぼしないでしょうし。


Inactivation of Avian Influenza A(H5N1) Virus in Raw Milk at 63°C and 72°C

牛さんに鳥インフル感染がUSAでは流行。
んで。
その、殺菌?殺ウイルス?
が高温で、何分間かで起きるって言う話ですけど、
ちゃんと測定する必要があるって。
ま、少なくとも、生牛乳は、リスキー。
昔、牧場とか、、、、ねえ、
そのまま飲んでた気もするけど、
やっぱ、危ないっす。マジ。
そう言う話。
日本では流行らんでくれよー。



Tenecteplase for Ischemic Stroke at 4.5 to 24 Hours without Thrombectomy.

Strokeに対する
テネクテプラーゼ、4.5〜24時間バージョン。
機械的摘出なし。薬だけっす。

516 patients。
テネクテプラーゼ  264
標準 252

90日 modified Rankin scale score 0 or 1 の頻度は、
テネクテプラーゼで高い。
(33.0% vs. 24.2%;
RR 1.37; 95%CI, 1.04 to 1.81; P = 0.03).

90日死亡は、
テネクテプラーゼ  13.3%
標準  13.1%

36時間有症状脳出血は、
3.0% vs 0.8%

ん。
脳出血は増えるけど、
90日後を見ると4.5時間すぎててもやる価値はある、、、、かもしれない。


Reteplase versus Alteplase for Acute Ischemic Stroke.

4.5時間以内のStroke。
レテプラ〜ぜが、アルテプラ〜ぜより、
成績が良い可能性がある、と。
4.5〜でも、、、、かもね。。。。







Perioperative Management of Antithrombotic Therapy


サマリー:
ガイドラインタイトル 抗血栓療法の周術期管理:米国胸部医師会臨床実践ガイドライン

対象集団 選択手術または処置を受けている経口抗凝固療法または抗血小板療法を受けている患者

選択された推奨事項:

1:選択的な非心臓手術を受けているアスピリン療法を必要とする患者には、手術を通じてアスピリンを継続することが提案される(条件付き推奨;証拠の適度な確実性[COE])。

2:血栓塞栓症のリスクが低いから中程度の選択手術または処置を受けているビタミンK拮抗薬(VKA)を服用している心房細動患者の場合、VKA(ヘパリンブリッジング)の中断中の治療用ヘパリン用量の一時的な使用は推奨されません(強い推奨;中程度のCOE)。

3:選択的手術または処置のためにVKA中断を必要とする血栓塞栓症のリスクが低いから中程度の機械的心臓弁を有する患者については、ヘパリンブリッジングは推奨されていない(条件付き推奨;非常に低いCOE)。

4:選択的手術または処置を受ける直接経口抗凝固薬(DOAC)を受けている患者には、特定のDOACと処置の出血リスクに依存するタイミングでDOAC療法の中止が提案されます(条件付き推奨;非常に低いCOE)。

むむむ〜⁈
1:ASAは、止めずに続行⁈ そーなの?今や⁈
2:Afのヘパリンブリッジはしないよね〜。
3:え、、、、えええええ? 機械弁のヘパリンブリッジも推奨されてないの?中等度リスクってなんだ?コレは意外。。。。
4:Doacsは血が出るけん、中止しましょ。

いやあ、、、意外。
後はコピペ。気になったら見てね。

臨床問題の概要

治療用抗凝固薬を服用している患者の間では、競合する血栓性および出血リスクは、複雑な周術期の意思決定につながる。これらのガイドライン1は、抗血栓薬の周術期管理を最適化することを目的としています。

このガイドラインは、手術を入院の有無にかかわらず麻酔を必要とする介入として定義し、通常は入院を必要としない軽微な介入として手順を定義しています(歯科、皮膚科、眼科、ペースメーカー/内部除細動器移植、胃腸内視鏡手術など)。周術期は介入の1週間前に始まり、4週間後に終了します。周術期血栓塞栓症のリスクが高い患者は、動脈塞栓症の年間10%以上、または静脈血栓塞栓症(VTE)の月間リスクが10%以上です。中程度のリスクは、動脈塞栓症の場合は年間4%〜10%、またはVTEの場合は月額4%〜10%です。低リスクは、動脈塞栓症の場合は年間4%未満、VTEの場合は月額2%未満です。介入が介入後30日までの大出血のリスクが2%以上に関連している場合、出血リスクは高いと見なされ、中程度のリスクは2%未満の確率を意味し、最小限のリスクは約0%です。

ガイドラインソースの特徴

ガイドラインパネルには、内科医、外科医、集中治療医、薬剤師、心臓専門医、血栓症の専門家、方法論の専門家が含まれていました(表)。文献は2011年12月から2021年7月まで検索された。GRADEアプローチは、COEを評価し、高、中、低、または非常に低に分類するために使用され、最終的な推奨事項は強い(推奨)または条件付き(推奨)のいずれかとして記載されました。

証拠ベース

44の推奨事項のうち、2つは中程度のCOEで強いと評価され、1つは中程度のCOEで条件付き、41は低または非常に低いCOEで条件付きでした。

アスピリンを服用している患者には、選択的非心臓手術の継続が推奨される。急性股関節骨折修復または選択的股関節または膝関節置換術を受けている17,444人の患者のランダム化臨床試験(RCT)では、患者はアスピリン、160mg/d対プラセボにランダム化され、試験開始時に開始され(術前に開始する患者の82%)、術後35日間継続した。アスピリンを服用している患者は、VTE対プラセボのリスクが低下し(1.5%対2.2%;P <.001)、大出血のリスクの増加(2.5%対1.8%;P <.001)および心筋梗塞(1.3%対1.0%;P = .04)、および脳卒中の同様のリスク(0.7%対0.6%;P = .58)。2別のRCTには、非心臓手術を受けた血管合併症のリスクが高い10,010人の患者(冠動脈疾患、末梢動脈疾患、または脳卒中、または血管疾患の複数の危険因子を含む)が含まれていた。術前にアスピリンを開始または継続した人とプラセボに無作為化された人との死亡率または非致死性心筋梗塞に違いはありませんでした(7.0%対7.1%; P = .92)。3 ただし、アスピリンを服用している個人は、プラセボと比較して30日間の出血リスクが高かった(4.6%対3.8%; P = .04)。3 クロピドグレル、プラスグレル、またはチカグレロールなどの他の抗血小板薬を服用している非心臓手術を受けている患者の周術期管理を導く前向き研究はありません。アスピリンとP2Y12阻害剤を服用し、冠動脈バイパス移植手術を受けている人のために、アスピリンを継続し、クロピドグレル(5日)、プラスグレル(7日)、またはチカグレロール(3-5日)は、低COEに基づいて推奨されます。1

ガイドラインは、心房細動および低から中等度の血栓性リスクを有する患者の選択的手術または処置のためのVKA(ヘパリンブリッジング)の中断中の治療用ヘパリン用量の一時的な使用に対する強力な勧告を発行しました(CHA2DS2-VAScスコア≤6またはCHADS2スコア≤4)。1884人の患者のRCTは、ヘパリンブリッジングを放棄することが動脈塞栓症を予防するためのブリッジングに劣らないことを示した(0.4%対0.3%;平均グループ間差、0.1%;95%CI、-0.6%から0.8%)4、より少ない大出血と関連していた(ブリッジなし:1.3%;ブリッジング:3.2%;P = .005)4

機械的心臓弁のためにVKAを受けている患者は、低から中程度の血栓リスクのために術後ヘパリンブリッジングを必要としないという提案は、RCTと観察データからのサブグループ分析に基づいています。1471人のVKA治療患者のRCTでは、VKAは介入の5日前に中止され、すべての患者は術前ダルテパリンを受けた。術後、すべての患者はワルファリンを再開し、治療国際正規化比が得られるまで、ダルテパリンまたはプラセボによる術後ブリッジングを受けた。機械的心臓弁を持つ参加者の21%のうち、主要な血栓塞栓症(0%対0.67%;リスク差、0.7%;95%CI、-0.6%から2.0%)または出血(1.96%対0.67%;リスク差、-1.3%;95%CI、-3.8%から1.3%)で12週間後に有意な差は観察されなかった。5 ヘパリンブリッジングの8つの観察研究と、介入を受けてVKA療法を受けている5184人の患者でブリッジングなし、そのうち24%が機械式心臓弁を有しており、動脈塞栓症リスク(オッズ比、0.8; 95%CI、0.36-1.95)との関連はなかったが、ヘパリンブリッジングは主要なリスクの増加と関連していた出血(OR、3.6;95%CI、1.52-8.5)。6

選択的手術または処置の1〜4日前、またはアピキサバン、エドキサバン、またはリバロキサバンの1〜2日前にダビガトランの中止が提案され、特定のタイミングは手術の出血リスクに依存する。ダビガトランを服用している心房細動の患者は、低出血リスク手順と高出血リスク介入のための48時間の中断の後、30日間の動脈塞栓率(0.2%; 95%CI、0%-0.5%)と低30日間の大出血イベント(1.8%、95%CI、0.7%-3%)でした。7選択手術または処置を受けているアピキサバン、ダビガトラン、またはリバロキサバンを服用している心房細動を有する3007人の患者を対象とした別の前向きコホート研究は、介入の1日前から1日(低〜中程度の出血リスク介入の場合)または介入の2日前から2〜3日前から3日で、ヘパリンブリッジングを使用せずにDOACの中断を評価しました(高出血リスクの介入の場合)。DOACの中断は、30日間の動脈塞栓症(0.2%-0.5%)および大出血(1.0%-1.7%)の低率と関連していた。8

利益と害

これらのガイドラインは、主に周術期抗血栓管理を標準化しようとすることによって利益を提供し、それによって実際に臨床医レベルの変動性を減少させる。手続き的出血リスクを伴う個人の血栓性リスクに関する推奨事項の階層化は、周術期の合併症を最小限に抑える可能性が高い。

話し合い

周術期管理に関する多くの決定を知らせる将来の証拠が不足している。将来の証拠が利用可能であっても、その一般化可能性は限られています。たとえば、周術期DOAC管理に関するほぼすべてのデータは、VTE、末梢動脈疾患、および安定した冠動脈疾患の管理のためのDOACの使用が増加しているにもかかわらず、心房細動患者から外挿されています。1

将来の研究/進行中の研究が必要な分野

重度の慢性腎臓病患者、特にクレアチニンクリアランスが30mL/分未満の患者の管理を導く証拠はほとんどありません。さまざまな臨床現場で抗凝固管理を標準化するための最適な患者およびシステムレベルの実装戦略を特定することも必要です。