犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

Association of preoperative beta-blocker use and cardiac complications after major noncardiac surgery: a prospective cohort study

一般論として。
ベータ遮断すると、心臓には優しいけど、全身には優しくない。
心臓仕事量は減るけど、Outputが落ちるからね。
ベータしないと、心臓には優しくないけど、全身のOutputは、保たれる(ことが多い)。

いまは、、、、、そこまで積極的なベータは求められてませんよね。脳、腎臓、などへの合併症が増えるリスクありです。
心臓手術だと、Af予防の観点があるけん、また別ね。

多施設前向きコホート。
Major手術。
心臓リスクあり。

primary endpointは、
周術期(術後3日間)のInfarction、Injury、両方のMI。
secondary endpointsは、
major adverse cardiac events (MACE),
複合で、MI、心不全、重症不整脈、死亡、365日以内。

術前ベータ使用は、
3839/10 272 (37.4%) 。 (年齢74 yr; 44.8%女子) 。

ベータ遮断群は、
高齢、男子、心臓疾患、CKD、の頻度が高かった。

心臓性 PMIは、 1077で発生。
ベータ有無は、差がない。
OR 1.03 (95% [CI] 0.94–1.12, P=0.55)

365日MACEは、 971/10 272 (9.5%) 。
コレも、差はない。
HR 0.99 (95% CI 0.83–1.18, P=0.90)

、、、、、
何も変わらんて。
騒ぎ過ぎなだけ?
管理が良くなった?のかねえ?
悪いとこがわかるとねえ、そこに注意しながら管理するからねえ。



Antithrombin supplementation attenuates heparin resistance in plasma spiked with Gla-domainless factor Xa S195A in vitro

Andexanet alfa。
Xa系Doacsの拮抗薬っすね。
で、
CPB前に拮抗すると、ヘパリン抵抗性が起きることがあるので、拮抗はCPB離脱時、離脱後、に行え、と言われています。

んで、
今回の実験。
拮抗により、確かにヘパリン抵抗性が起きた。
この抵抗性は、十分なヘパリン、そして、AT3による十分な活性値を得ることにより、
ある程度管理可能なレベルに低下できそうだ、と。70〜80%、、、、、ね。
組織因子系の経路にはAT3補充しても効果ないらしい。

ん。
一番は、ホント、、、、CPB前に拮抗しないことですな。。。。
でも、拮抗してからくる症例も絶対あるけんね。
完璧、、、、ではなくても、
AT3により、ある程度の管理はできそうだ、って話に捉えときましょう。




Point-of-care testing for tranexamic acid efficacy: a proof-of-concept study in cardiac surgical patients

TxaのPoint Of Care?
Rotem系を短時間で繰り返すくらいしかないんじゃね?

近年心臓手術時使用の流行は、
Low-dose tranexamic acid (TXA) 、です。
副作用が少ないながら、、、大きいことがあるんでね。

『TPA-test on the ClotPro® system 』、
なるもの?が新しくできたそうな。
コレは、
TXAによるセンヨウ抑制を測定できる、、、、と。
Vitro調査。

tPA による『Hyperfibrinolysis 』は、
TXA ≥2 mg /L、で、濃度依存性に抑制された。
完全な抑制が得られたのは、 TXA ≥10 mg/ Lだった。

CPB症例での抗センヨウ効果は、
CPB終了時のTxa 0.1gボーラスを、TPA-test で検出可能であった。
完全なる拮抗に必要なのは、 TXA ≥0.5 g.であった。

Txa 1gボーラスの抗センヨウ効果は、
術後18時間に渡り、徐々に低下した。

しかし (eGFR) ≤30 ml min以下の症例で、それ以降も残存するケースが認められた。

ほおおおおおおお。
え、コレ、すごい検査じゃない⁉️

って、結構、、、、Lowなレベルで、しっかり拮抗できてるんすね?
いや、コレ、大動脈解離とかのセンヨウ亢進してる人で、是非、データとってほしいわあ〜、めっちゃ気になる〜、
ってか、欲しいわあ〜、いいなあ、コレ。
腎臓悪い人には、、、、注意して使いましょう。
うーん、、、、
透析患者に、1gボーラスだけ使ってたけど、、、、いいんでしょうかね?。。。
Low Doseが思った以上にLowで、結構ビックリ。





Remimazolam versus propofol for sedation in gastrointestinal endoscopic procedures: a systematic review and meta-analysis

レミマゾラムとか、、、、
ぶっちゃけ、麻酔には要らん。
あとは、内視鏡とかの鎮静でメリットがあるかとかっすよねえ。

Propo vs レミマゾラム。
15Study、4516名。

レミマゾラムは、
低い鎮静成功率
[RR] 0.991;95%[CI] 0.984-0.998;
長い導入時間(平均差 9秒;95%CI 4-13;)
と関連。

レミマゾラムは、
呼吸抑制率が有意に低い
(RR 0.41;95%CI 0.30–0.56;)、
低血圧(RR 0.43;95%CI 0.35–0.51;
治療を必要とする低血圧(RR 0.25;95%CI 0.12–0.52;)、
徐脈(RR 0.42;95%CI 0.30–0.58;)
と関連。

満足度は変わらず。
患者(MD 0.41;95%CI-0.07から0.89)
内視鏡医(MD-0.31;95%CI-0.65から0.04)

ん、、、、
僕が好きなのは、鎮静無し‼︎とだけ。。。。




Epidemiology of perioperative anaphylaxis in France in 2017–2018: the 11th GERAP survey

周術期アナフィラキシー。
僕が知ってるのは、
筋弛緩!、スガマデックス、抗生剤、ラテックス、の順位だけど?
2017年フランスのレトロ。

周術期アナフィラキシーの患者は765人。
重篤で、リングとメスマーの分類で、
428(56%)の反応が3または4。

皮膚検査結果は676人の患者に利用可能で、
原因は471例(70%)で特定。

筋弛緩薬は、
周術期アナフィラキシー(n=281;60%)の主な原因。
続いて抗生物質(n=118;25%)と、
パテントブルー染料?(n=11;2%)
だった。

ああ、スガマデックス、まだ、一般的じゃないかヨーロッパは当時。

抗生剤の半分以上はセファゾリン(抗生物質関連反応の52%)原因。

サクサメトニウムとロクロニウムは、
周術期アナフィラキシーの原因
それぞれ販売された10万バイアルあたり、
7.1(6.1〜8.4)
5.6(4.2〜7.4)、
でアナフィラキシー。

セファゾリンは、
販売された10万バイアルあたり
0.7(0.5〜0.9)

筋弛緩、恐るべしですよね。
多分、ヨーロッパが一番多いっぽい。
悪性高熱もそうだけど、なんかあんだろか?
スガマデックスでも筋弛緩薬並みと言われてて注意しましょうね。





Advanced chronic kidney disease after surgery and the contribution of acute kidney disease: a national observational cohort study

術後、CKDの因子、と。
ほお。AKIでなく、CKD発症をOutcomeっすか。

周術期 advanced CKD (Ccr30以下)、
365日 major adverse kidney events (MAKE365,Ccr30以下、365日) 。
へえ、
MACEじゃなくて、MAKEですかあ。

237,124 patients。
1597 (0.67%)で、 advanced CKD。
16,789 (7.1%)で、 MAKE365、発症。

advanced CKD のリスクは、
ASA PS高い、泌尿器科手術、手術時間延長、術後長期入院、再手術、術後renin–angiotensin–aldosterone system 阻害薬。

Advanced acute kidney disease (AKD) (術後90日以内のCcr30以下) は、
1661 (0.70%) patients。
うん、、、、あんま、Advanced CKDと変わらん気がするんだが?
コレは、
advanced CKD のリスクだった。
[SHR] 44.5, 95% [CI] 38.7–51.1)そりゃそうだ。
そして、
MAKE365 のリスクでもあった。
[HR] 6.60, 95% CI 6.07–7.17).

術後 advanced AKDの内、
36%が、 advanced CKD
51%が MAKE365.
となった。

ん、
元々腎臓普通の人がオペ後、
一年後にCKDとなるのは、7%。
UnCommon、、、、って言ってるけど、、、
高いよね⁈、
普通の人の7%がオペ後、CKDになっちゃうって、、、ええ〜、だけどねえ。。。
AKD、とAKI、何が正式名称か、論争は置いといて、術後早期の腎機能障害が一因ではあることは間違いないけん、それは介入対象っすね。





Effect of prolonged sedation with dexmedetomidine, midazolam, propofol, and sevoflurane on sleep homeostasis in rats

ラット。
情報として、、、、だけ。

長期の鎮静、による睡眠障害。
Propo、ミダゾ、Dexでは、起きる。
Sevo、、、、では、起きない⁈可能性。

へえー、
長期鎮静には吸入薬がBetterな可能性。
ねえ、、、ルートもいるし、Inとして増えるしね、吸入最強説となるかもですな。
ラットだけどねえ。





Monitoring of cerebral blood flow autoregulation: physiologic basis, measurement, and clinical implications

脳血流(CBF)の自己調節は、脳への血液供給が脳灌流圧力の範囲にわたって一定に保たれ、代謝基質の一定の供給を保証する生理学的プロセスです。CBFの自己調節を監視するための臨床方法は、神経臨界疾患の患者のために最初に開発され、外科患者にも拡張されました。これらの方法は、時間または周波数ドメイン分析を使用して、自己調節の低周波数(<0.05 Hz)で脳灌流圧力とCBFまたは脳血量(CBV)のサロゲートとの関係を測定することに基づいています。当初、CBF速度の頭蓋内圧モニタリングまたは経頭蓋ドップラー評価は、脳灌流圧または平均動脈圧の変化に関連して利用された。CBFの推定値として近赤外分光モニターからのフィルタリングされた信号を利用した、より臨床的に実用的なアプローチが検証されました。50 mm Hgが自動調節のしきい値であるという伝統的な教えとは対照的に、これらの調査は、成人では40〜90 mm Hg、小児では20〜55 mm Hgの範囲の自動調節の下限の幅広い個人間変動性を発見しました。観察データは、障害のあるCBF自己調節指標を、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、くも膜下出血、脳内出血、および外科患者の有害な転帰にリンクしています。CBF自己調節モニタリングは、心臓手術と非心臓手術の両方で説明されています。成人を対象とした単一センター無作為化研究のデータによると、心肺バイパス中の動脈圧を自己調節の下限以上にすると、通常のケアと比較して、術後せん妄が減少し、手術後1ヶ月で記憶が改善されることがわかった。一緒に、増加する証拠は、CBFの自動調節を監視することは、最終的な患者の転帰に関する予後情報を提供し、治療介入の可能性を提供することを示唆している。外科患者にとって、CBF自己調節データに基づくパーソナライズされた血圧管理は、患者の神経認知の転帰を改善するための戦略として有望です。





Commonly used antiemetics for prophylaxis of postoperative nausea and vomiting after Caesarean delivery with neuraxial morphine: a network meta-analysis

カイザー。
Spinalモルヒネ使用、で、PONV予防。
Epi入れて、モルヒネ使用しなけりゃいいんじゃね、ってのは無しで、、、、。

一般的に、Dopamine antagonists, 5-HT3 antagonists, dexamethasone 。
メトクロ、オンダンセトロン、デキサメサゾン、一緒っすね、どこも大体。
カナダはなんか多かったんすよねえ〜、何でだろ。

33 studies、 4238 women。
単剤で、それぞれ、プラセボよりBetter。
一番良かったのは、
5-HT3 antagonists plus dexamethasoneの併用。
ってか、3剤友使えばいいじゃん?ねえ。

ただ、、、、、
フェンタ、スフェンタ、をSpi、Epiで併用した場合、、、、PONV予防効果がない?と。
何で⁈

んー、
よーわからんけど、、、、
麻薬使うなら、吐き気止め、Lちゃんと使いましょう。日本人は、まだまだその辺のケア不足。





The impact of perioperative ketamine or esketamine on the subjective quality of recovery after surgery: a meta-analysis of randomised controlled trials

ケタミン、エスケタミンが、
周術期、POD1、2、の自己QOLを改善したという話のメタ解析。

驚きなのは、
18RCTの内、15が、中国でのStudyなんだって。
何でケタミン好きなんすかね?
ま、
ケタミンでテンション上がってるだけで、実際の機能予後とかはわからんすけどね。。。。
抗うつ作用が強いっすからね。
まだ、不明っす。




おしまーい