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日々精進。

Effect of Aspirin vs Enoxaparin on Symptomatic Venous Thromboembolism in Patients Undergoing Hip or Knee Arthroplasty
The CRISTAL Randomized Trial

何故かはわからんし、
あんまり、信用もしてないけど、
整形系のオペのDVT予防は、
ASA単剤、でもオッケー、ってことになってるんすよね。

僕以外にも信用してない人はいっぱいいて、
今回、TKA、THA手術の人のDVT予防に、
ASA vs enoxaparin 。

31 hospitals。
9711 eligible patients。
ASA 5675
エノキサパリン 4036 。

aspirin (100 mg/d)
enoxaparin (40 mg/d)
コレを、、、
THA後は、35 days ‼︎
TKA後は、14 days、続ける。

primary outcomeは、90日以内の症状有りのDVT、 PE、

secondary outcomes は、死亡、出血など。

途中、、、いうても9711 patientsで中断。
年齢, 68 years; 56.8%女子。
予定が、15 562だったんで、 (62%)、にあたる。

9203 (95%) で解析。
90 days 以内に、
有症状DVTは、 256 patients,
ウチ、PE 79 cases
above-knee DVT (18 cases),
below-knee DVT (174 cases).

頻度としては、
ASA群 3.45%
エノキサパリン 1.82%
difference, 1.97%; 95% CI, 0.54%-3.41%
、、、、、
非劣勢は証明できず、、、
エノキで、優勢と。(P = .007).

6個のSecomdaryには、差がなかった。

ま、、、、
ですよねえ。。。
最高リスクの一つにASAは弱いっスよねえ?
推奨、変わるんかな?




Effect of Radiotherapy Alone vs Radiotherapy With Concurrent Chemoradiotherapy on Survival Without Disease Relapse in Patients With Low-risk Nasopharyngeal Carcinoma
A Randomized Clinical Trial

専門外。。。
結果だけ。
耳鼻咽喉科領域癌、stage IIと T3N0M0
放射線とプラス化学療法、
で、3年生存に差はない話。
コメントする知識がありませぬ‼︎



Trends in Lipid Concentrations and Lipid Control Among US Adults, 2007-2018

この上記10何年の間に、
USAの成人の脂質の値は下がってる、ちょっと、、、ね。
これには人種差もあった。ー
(アジア人だけ有意差なし)
ま、、、
下げるに越した事なしっスよ。



Pediatric Surgical Revisits by Specialty and Procedure Across US Children’s Hospitals, 2016-2020

小児って大変っスよね。
1 189 140件、オペして、
88 796回、30日以内の再度受診があって、
38 742(43.63%)は、QQ外来受診EDだけで済んで、
だった。
再訪率は7.46%(95%CI、7.42%-7.51%)

扁桃腺切除術/腺切除術は、
再訪回数が最も多く(n = 18 279)、

CVC/ポート挿入は、
再訪率が最も高かった(41.45%;95%CI、40.93%-41.97%)。

扁桃腺切除術/腺切除術(n = 10 419)、
虫垂切除術(n = 3637)は、
外来受診のみが多かった。

耳鼻咽喉科と一般小児外科、
が、75〜80%を占めていた。

マジで、ご苦労様っス。



Statin Use for the Primary Prevention of Cardiovascular Disease in Adults
Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force

スタチン、飲めって話っスよ。
みんな、スタチンを飲むのだあー。

26Study。
22 trials (N = 90 624) で、
6ヶ月〜6年のFollowありで、
スタチン vs 無し、の比較。

1 trial (n = 5144) はスタチンDoseの比較。
3 observational studies (n = 417 523)は、害の報告。

んで、
スタチンで、全死亡が低下した。
[RR], 0.92 [95% CI, 0.87 to 0.98];
difference [ARD], −0.35% [95% CI, −0.57% to −0.14%]),

stroke も減る。
RR, 0.78 [95% CI, 0.68 to 0.90];
ARD, −0.39% [95% CI, −0.54% to −0.25%]),

MIも減る。
(RR, 0.67 [95% CI, 0.60 to 0.75];
ARD, −0.85% [95% CI, −1.22% to −0.47%]),

心臓血管イベントも減る。
(RR, 0.72 [95% CI, 0.64 to 0.81];
ARD, −1.28% [95% CI, −1.61% to −0.95%]);

心臓血管死亡は傾向のみ。
(RR, 0.91 [95% CI, 0.81 to 1.02];
ARD, −0.13%).

ただ、
75歳以上の有効性は、不鮮明だった。

重度害(副作用)の頻度に差はない。
(RR, 0.97 [95% CI, 0.93 to 1.01]),

筋肉痛 (RR, 0.98 [95% CI, 0.86 to 1.11]),
aminotransferase (RR, 0.94 [95% CI, 0.78 to 1.13]).

DMも有意差なし。
(RR, 1.04 [95% CI, 0.92 to 1.19]),
が、
1 trialで、 high-intensity statinで、
DMが増えていた。
RR, 1.25 [95% CI, 1.05 to 1.49]
それ以外、
スタチン強度も差は出てない。

ん、
多分、中年期くらいから、
ずーっとスタチン飲んどく方がいいんじゃないかと。
いや、
めっちゃ健康な人はいいすけど。
僕らみたいな、肉体労働系Drは、
飲んどく方がいいっしょー。




Thromboprophylaxis After Hip or Knee Arthroplasty

以前はTKA、THA後の患者の約3%に、PEによる死亡があった、、、、んだって。へええ、、、恐ろしい。
で、現在、
この値は、0.2%以下、まで低下したと。

北米のいくつかの整形外科センターでは、アスピリンは、DVT予防の主要な薬剤となっています。
アスピリンは静脈血栓塞栓症(VTE)の一次および二次予防に有効であり、致命的なPEは現代では一般的ではないため、オペ後にますます処方されています。
さらに、アスピリンはより便利でコストが低く、予防に使用される非経口薬よりも出血のリスクが低いと認識されています。
さらに、アスピリンによる予防を検討した最近の大規模な比較ランダム化試験は、オペを受けている患者の症状VTEを予防するのに、アスピリンが低分子量ヘパリンまたはリバロキサバンのいずれかに劣っていないと報告した。
へえ。。

CRISTAL研究会の報告書は、この問題の検討。
31の病院は、アスピリン、85mg/dから150mg/dの経口投与、またはエノキサパリン、40mg/dを皮下投与するために無作為化され、その後、各クラスター期間に必要な数の患者が募集されると、他のモダリティに渡る計画が計画されました。研究治療は手術後24時間以内に開始され、股関節形成術後35日間、または膝関節形成術後14日間続いた。
で、
結果はご承知の通り、、、
途中で終わるくらい、差が出たわけだが。。

詳細をみると、
エノキサパリンで治療された患者と比較して、アスピリンで治療された患者の、
『膝下DVTイベントの数が多い』、ことによるものだったと。(1.2%対2.4%; 差、1.49%;95%CI、0.48%-2.50%)。

PE(0.6% vs 1.1%)
膝上DVT(0.2% vs 0.2%)
は、差がなかった。

因みに、
死亡率(0.1% vs 0.1%)、
大出血の発生率(0.4% vs 0.3%)、
再入院率(2.3% vs 2.4%)、
再手術(1.9% vs 2.1%)
に関しても、差はなかった。


CRISTAL Study Groupによるこの研究は、少なくとも3つの重要な調査結果を提供します。
1: 致命的な肺塞栓症を含む、術後の死亡率(90日で0.1%)は、予防抗凝固薬とアスピリンの両方で非常に低い。

2:アスピリンで治療された患者の間では、臨床的に重要なVTE(症候性肺塞栓症と膝上DVT)の発生率は低かった。
血栓塞栓症イベントがアスピリンで、少ないという証拠。

3: エノキサパリンはアスピリンよりも効果的でしたが、複合結果に対するエノキサパリンの利点は、主に、最も一般的なVTE症状である膝下DVTの減少によるものでした。

いくつかのガイドラインパネルと最近の血栓予防試験の調査官、によって支持されており、全関節形成術後の血栓予防の有効性を評価する際に、『遠位DVTよりも症候性肺塞栓症および近位DVTの減少を重視』しています。

非致命的なVTEを減らすことは重要ですが、血栓予防の利点には、出血リスク、医療システムへのコスト、患者への利便性とのトレードオフが必要であり、アスピリンは血栓予防にとって特に魅力的です。
CRISTAL試験は、全関節形成術後の唯一の血栓予防としてアスピリンを評価する上で重要な一歩ですが、主に複合結果の最重要でない成分(すなわち、膝下DVT)の減少による低分子量ヘパリンのより大きな有効性の発見は、すでにアスピリン予防を採用している臨床医に低分子量ヘパリンに切り替えるように説得する可能性この集団で進行中の試験は、総関節形成術後にアスピリンが抗凝固剤予防に取って代わるべきかどうかをさらに明確にするのに役立ちます。

ふうん、
それなりに意味があるんだねえ。。。ー




Perioperative Neurofilament Light Plasma Concentrations and Cognition before and after Cardiac Surgery: A Prospective Nested Cohort Study

『Neurofilament light』、は、
神経障害の、血液中のマーカー。

術後に、『neurofilament light』が上昇すると、非心臓手術でのせん妄が増えるという情報もある。

今回は、神経障害のリスクが高い、心臓手術後、しばらく経過後、の患者でのデータ。

『neurofilament light』は、ベースと、POD1、に測定。

精神神経テストが、ベース、1っヶ月後、1年後に行われる。

Primary outcomesは、全ての認識テストの変化。

167 patients。
Outcome測定は、
1ヶ月 80% (134 of 167)
一年 61% (102 of 167)
で、評価できた。

ベースの、『neurofilament light』は、
18.2 pg/ml (13.4 to 28.1),

POD1では、
28.5 pg/ml (19.3 to 45.0).

ベースの、『 neurofilament light』が高いと、
ベースの認識テストScoreが低かった。
adjusted slope, –0.60; 95% CI, –0.90 to –0.30; P < 0.001

ベース〜1ヶ月では、z-score は変わらず。
(0.11; 95% CI, –0.19 to 0.41; P = 0.475),

1ヶ月〜一年では、 z-score 改善。
(0.56; 95% CI, 0.31 to 0.81; P < 0.001).

認識力が改善する人もいれば、悪化する人もいた。
『neurofilament light』のPOD1までの変化は、
一年時点での認識力低下と関連した。

ん。
ベースで高いと、認識力が落ちてる。
POD1に上がると、一年後も認識力はより低下している。
へえ、、、、
ま、
なんであれ、数値としてモニタリングできるものがあれば、、、、
今後に続きますかね。




Efficacy of Preoperative Oral Midodrine in Preventing Hypotension After Spinal Anesthesia in Young Adults: A Randomized Controlled Trial.

うん、コレは面白い試み。
Spiすりゃあ、血圧下がる。
主に血管拡張によって。
であれば、、、、
ミドドリンで、血管が開きにくくしたら⁈

面白い発想っスよね。
普通、
Spiの前位から、輸液を増やしたり、
Spi前後から、昇圧剤使ったり、
というのが主流の中、、、、
だいぶ前、からの介入です。

ミドドリンは、起立性低血圧、透析下低血圧予防、
その他に、敗血症性ショックの回復段階での使用データもあんだってさー、へええー。
僕らが使うのって、持続の昇圧剤がどうしてもきれない時に、試すくらいで、滅多にお目にかかるもんじゃないっスよね。

67 patients 。
年齢 18 to 40歳。
定時の、膝手術をSpiで受ける。

ミドドリン群は、 10-mg の錠剤、
プラセボ群は、偽薬を、
Spiの1時間前に、飲む。

Spiの薬は、
12.5-mg 0.5%高比重マーカインと、 15-µg fentanyl。

primary outcome は、
低血圧(Sys90以下、ベース80%以下)発生。

Secondary outcomesは、
Vitalとか薬とか。

んで、
低血圧は、
ミドドリン 5 (14.7%)
プラセボ 14 (42.4%)
RR 0.35 (0.14-0.85) (P = .021).

エフェドリン使用量は、
0 (0-10) mg vs 0 (0-15) mg;
difference 0 (0-5) mg (P = .015).

平均血圧も、
Spi後、2、10、15、20、30、45、60分、手術終了、時点で、ミドドのが高かった。

脈拍には有意差なし。

面白いよね?
ま、、、、
問題は、高リスクの老人にも使えるか、ですわな。
健康な若者じゃ、別に困んないからねえ。
妊婦は、、、うーん、余計な薬使いたくないしねえ。
ま、
でも、面白いのは面白い‼︎