抗血小板と、透析時期の話。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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Effect of Ticagrelor Plus Aspirin, Ticagrelor Alone, or Aspirin Alone on Saphenous Vein Graft Patency 1 Year After Coronary Artery Bypass Grafting
A Randomized Clinical Trial


Importance
サフェナをCABGのグラフト血管として使用した場合、動脈グラフトよりも、ASAを早期から開始することで、詰まりを減らす、って話は昔からある。
で、今回は、そんな患者に、『ticagrelor』を、『ASA』に併用するしない、で差が出るか⁈

Objective
CABG後1年での、サフェナグラフト評価。

Design, Setting, and Participants
多施設RCT。
落ち着いてる、定時CABG患者対象。
1256 patients中、500名の解析。

Interventions
ランダム化は、(1:1:1)。
1: ticagrelor (90 mg twice daily) + aspirin (100 mg once daily) (n = 168),
2: ticagrelor (90 mg twice daily) (n = 166),
3: aspirin (100 mg once daily) (n = 166)
を、
術後24時間以内に開始。

Main Outcomes and Measures
Primary outcome は、1年後サフェナグラフト。

Results
500 patients (mean age, 63.6 years; women, 91 [18.2%]), )のうち、
461 (92.2%) でデータを得られた。

1年後サフェナに問題が、無いのは、
1群: 88.7% (432 /487 )
2群 82.8% (404 /488 )
3群 76.5% (371 /485)

ticagrelor + aspirin vs aspirin alone の差は、
12.2% [95% CI, 5.2% to 19.2%]; P<; .001),
で有意義にだった。

ticagrelor alone vs aspirin alone の差は、
6.3% [95% CI, –1.1% to 13.7%]; P = .10で、
有意ではなかった。

大出血は5例。
(3 with ticagrelor + aspirin; 2 with ticagrelor alone).

Conclusions and Relevance
ticagrelor + aspirin で、ASA単剤より、
有意にサフェナは、一年後も正常に保たれる。
単剤同士では、差がない、ってのも面白い。
もしかすると、
CABG後、サフェナ症例では、DAPTが標準治療となる可能性があるね。
数を増やしたStudyが出るだろうが、そうなる可能性は意外と高そーだ。



Early versus standard initiation of renal replacement therapy in furosemide stress test non-responsive acute kidney injury patients (the FST trial)

AKiに対して、RRTの開始時期は、早期にやっても有用性は無い、ってのがNEJMの見解だった。
今回は、症例に応じて、って言う意味で、ラシックスに反応するか否かで評価。

Background
重症AKIに、いつRRTを開始するか、ってな度々議論される。
早期に開始すれば、不必要な患者にも透析しちゃうかも、だし、
遅い透析タイミングだと、遅きに逸した、なんて言われることもある。
そこで、
『furosemide stress test (FST)』、
なるもので、介入。
元々、透析必要性を予期できる、なんて言われてることもあるしね。

Methods
『FST 』は、ラシックス静脈投与 (元々無しだと、1 mg/kg 、既に飲んでる場合、1.5 mg/kg)、のレジメ。

『FST-nonresponsive』は、
2時間で尿が200ml以下の場合。
で、
この患者を、早期(6時間以内に透析)
標準 (必要時まではしない)
にランダム化。

Results
FST は、全例に行われた。
FST反応アリ(200ml以上の尿量)患者は、
透析率が、 6/44 (13.6%)だった。
一方、
反応無しで、標準RRT群では、
透析率が 47/60 (78.3%) だった。

118 名の FST-nonresponsive patients のうち、
早期RRT群 98.3%、
標準RRT群 75% が、
透析を受けた。

28日死亡は、、、
62.1 versus 58.3%, P = 0.68
で、差はない。

7日輸液バランス、28日時点透析依存、
などにも差はない。

早期RRT群では、低Pが多かった。

Conclusion
ふむふむ。
ラシックスに反応がある患者は、結果として、透析を必要としない可能性が高い。
一方、反応がない場合、、、
早期、標準、どっちの基準でRRTしても、予後は変わらずと。
ま、
なんとなく、肌で感じることでもありますが、、、
でも、一回ラシックス反応後にサッパリ、、、って患者とかもいるし、実際んとこ、どーなんでしょ⁈