よく言えば福袋。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

色々、ごたまぜに書かれてんでね、
よく言えば、福袋と言うことで、
ご容赦を。



皆様

今年も、時間がある限り、適当に更新しますので、
暇つぶしに、
知識のまとめに、
時々、覗きに来てくださいね^ ^


因みに、、、
お正月は、ゆっくりしました^ ^

ところで、昨日、
初めて、君の名は、をTvでみましたが、、、、
ただ入れ替わってるだけの、いつものつまらん話じゃなくて、
ああ、そりゃ売れるわな、って感じで、
とっても良かったっすわ。面白い‼︎
普段は22時に寝るのに、最後まで楽しく見させてもらいました^ ^


さあ、では、適当に始めましょい。


Prehospital antibiotics in the ambulance for sepsis: a multicentre, open label, randomised trial


Background
QQ医療において、QQ隊が、まず患者を搬送する、ってことは、
特に、外傷、MI領域で、非常に重要だとされている。
では、Sepsisでは、どうなのか⁈
これも、時間依存で予後が云々される疾患ですけんね‼︎

Methods
オランダの、10個の大きな救急車センターが対象。
救急隊員は、Sepsisを見分けるトレーニングされた後、RCT。

通常治療に加えて、
救急車内で、早期に抗生剤を投与するコトが、予後にどう関係する⁈

患者はランダムに、
➕抗生剤介入群 ( ceftriaxone 2000 mg )
標準治療のみ群 (輸液と酸素 f).

primary outcomeは、28日死亡。

トレーニング効果を見るために、
抗生剤投与までの時間をトレーニング前後で測定。

Findings
2698 patients。
2672 patients が、検討された。

介入群 1535
標準群 1137

介入群は、
抗生剤投与までの時間が 26 min (IQR 19–34) 。
救急部に到着前に投与できた。

標準群では、
救急部到着後、 70 min (IQR 36–128)。
(トレーニング前は、 93 min (IQR 39–140) )

28日死亡は、
介入群 120 (8%) patients、
標準群 93 (8%) 。
RR 0·95, 95% CI 0·74–1·24

28日再入院は、
介入群 102 (7%)
標準群 119 (10%)
(p=0·0004).

Interpretation
様々な重症度のSepsisに対し、
救急隊員をトレーニングすることにより、
ケアがより迅速に進んだ。
ただ、抗生剤を救急車で投与する、という行為は、
重症度に関係なく、死亡を改善することは出来なかった。

おお〜〜。
かなり、挑戦的なTrialをしたもんですなぁ。
Septic 患者の抗生剤投与は、
救急部到着後、1時間以内に投与すると予後が良い、
なーんてデータがある。
それに対する反論は、
救急部到着前から、Sepsisになってるのに、
なんで到着後からの時間が予後にかかわんねん、って言う
ごもっともなものだ。
救急車で投与できりゃ、そりゃあ、これ以上の早期投与はないさ。
ただ、
血液培養の問題、陽性率がさがんじゃね?
全員にセフトリアキソン(ま、確かに、無条件に全員に行ける薬ではあるが)でいいか、
Sepsisって言葉だけじゃ、大分、幅が広いし、、、
見落とし率、過剰診断率、そしてその副作用、
とか、ハードルかなり高い。
そんな中、まあ、完遂したんだから、
それだけですごいこと。

ま、
効果は、なさそうではあるんだが。
再入院が減る、とか、どんな効果やねん?、って逆になんか怪しむけど、、。
でも、
ほんと、面白いよね、こう言うStudy組むこと自体が。
抗生剤はね、
僕は早いに越したこと、無いと思うけど、
それは、総合力の高さを示してるものであって、
それ自体の効能かは疑問符だと思うが。。。。




Physiotherapy breathing retraining for asthma: a randomised controlled trial

えっと、、、
簡単に。
喘息の人に朗報?
コントロール悪い喘息の人のQOL改善の為、、、、
標準群に比べ、
自己再トレーニングができるDVDの効果を見る。
で、
面と向かって行うのと、DVDは、同程度の効果があり、
標準群に比べ、
明らかに、症状が改善、QOLが改善したと。
喘息の人は辛いからね。
薬によるコントロールがまず、だけど。
➕で、自己呼吸法トレーニングで効果あると。
そう言うのも大事なんだよね。
これに関連するEditorialがいくつも出てるのが、
ことの大きさを示してるよね。



Topical Tranexamic Acid Compared With Anterior Nasal Packing for Treatment of Epistaxis in Patients Taking Antiplatelet Drugs: Randomized Controlled Trial.

マジか。。。。
こう血小板薬飲んでる鼻出血。
パッキング🆚Txa局所投与。
で、、、、、
Txaのが早く血がとまる、、、、って。
局所投与は、僕はあんまり信用してないんだが、、、。
ま、そう言う話もあるそうで。



Long-term proton pump inhibitors and risk of gastric cancer development after treatment for Helicobacter pylori: a population-based study.

いつもの、PPIを蔑む系の報告。
ピロリ菌除菌後、
PPI投与は、胃がんの発生率を上げる。
2倍、3倍、、、、3年で6倍、、、。
一方、h2ブロッカーは、上げないって。
むう。。
PPIが、必要な人は居るっしょ。
でも、長期には使っちゃいかんね。
Icuでも、一部やろなぁ、必要なのは。
重症度別に、
短期PPI、後H2、
H2、
なんもなし、
みたいに分ける分類とか、はよ、誰か作らんかな。



Fluid Responsiveness After CArdiac Surgery (FRACAS): A Prospective Observational Study Using Peripheral Near-Infrared Spectroscopy

面白いれえじゃねーか!
心臓手術後患者の輸液反応性を、NIRSで‼︎
場所は、母指球筋と、前腕‼︎、斬新ね。

直前と、250-500ml輸液を10分でした後の組織酸素、測定。

母指球筋NIRS 203ボーラス
前腕NIRS143ボーラス

ボーラスの 25%で、輸液反応性があった。(15%以上の心拍出増加)

駆血時の組織酸素は、
輸液反応群で、低下、
だが、
非反応群では、
母指球筋NIRSで、上昇‼︎
前腕NIRSでは、不変、だった。

母指球筋NIRS
OR 0.31 [0.14-0.69]
前腕NIRS
OR 0.60 [0.45-0.80]

へー。面白いね。
臨床応用には、まだまだ情報不足だけども、
特に、NIRSをつけて駆血して、下がる人に
輸液反応性があるなら、簡単に応用できるもんね。
でもま、、、、
実際は、カテコラミンとか、体温とか、
色んな因子が関わるだろうから、、、、ね、
どうなるかわからんが、発想が面白い‼︎



Vancomycin prophylaxis and acute kidney injury after cardiac surgery

以前の心臓手術のハイリスク群に、
➕バンコで、深部のSSIが減る、と言う話に、
でもそれ、AKI増えてるかもよ?、
予後が逆に悪くなるかもよ、ルーチンはないっしょ、的な。
ま、そりゃそーなんですが。
バンコ併用でリスクになる薬、ならん薬、なんてのも、研究されてますが、
どーなんでしょ。Icu患者より、心臓手術患者のがAKIにはなるけんね。
より注意せな、だけどね。
因みに、腎毒性が低いとされる、テイコプラニンは、
もう、これより前に、心臓手術患者にはAKI増えるけん、やめときや、
みたいな話になってるけんね。
色々、、、難しい話やね。