止めないでよベイベ〜 | 犬好き麻酔科医ブログ

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Perfusion and Ventilation During Cardiopulmonary Bypass Reduces Early Structural Damage to Pulmonary Parenchyma



ちょっと意外です。。。

BACKGROUND:
通常の人工心肺って、呼吸も止まってるし、
肺に行く血流もほぼない状態なわけ。
で、、、
人工心肺中も、血流と呼吸を保つと、
肺での炎症(虚血再還流)を減らすのか?

うーん、人工心肺中の人工呼吸は、基本無効。
Peepかけとくってのも、基本無効、ってのが現存データではあるが。。。
血流もー維持しといて、呼吸もさせる、、、か。
肺ってな、酸素二酸化炭素の交換だけじゃなく、
いろんな代謝とかにも関与するし、体内で一番でかい血管床を持つ臓器でもあるし、
そこに虚血再還流が来ないってな、理論的には、、、正しいが。


METHODS:
3匹の子豚、、、じゃない。
27匹の豚さん。

Control(8)は、開胸のみ
標準人工心肺が、9匹
肺も循環させ、人工心肺中に呼吸もするのが10匹。

血行動態、ガス交換、呼吸機能、サイトカイン、
は、
ベースライン、人工心肺後90分、180分、
に測定された。


RESULTS:
90分時点で、
標準人工心肺群で、
Controlと、肺も循環群 に比べて、
PaO2/FIO2 の低下を認めた。
(126 ± 64 mm Hg)🆚 (296 ± 46) 🆚 244 ± 57 mm Hg; P < 0.001

コレは180分後には元に戻った。

サイトカインは、
血液中データで、各群、書く時間とも差は出なかった。
ただ、
BAL 中の、IL-6 (P < 0.001), IL-8 (P < 0.001), IL-10 (P < 0.001)は、
標準、肺も循環の人工心肺群で、コントロールより、上昇した。

多角好中球数は、肺も循環で、標準人工心肺より、少なかった。

電子顕微鏡で、サーファクタントの肺胞への染み出しを、
標準人工心肺群で認めた。
肺も循環では、染み出しは少なかった。


CONCLUSIONS:
豚さん、大虐殺やな。。。
ま、ところで、、、、肺への循環てな、もしかすると、
人工心肺の新たな進歩かもしれないわな。
各臓器への還流は必死に研究が進むが、
肺?なんですかそれ?
みたいな感じでほっとかれているっちゃ、その通りだわ。
臓器還流って意味では、肺の血流もね、研究対象だわな。
ただ、、、方法が、難しい。
術野との兼ね合いもある。
うーん、、、良いてはないものかね?
が、なんかする時代は来るかもしれんな。