マジか? | 犬好き麻酔科医ブログ

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Low-Dose Acetylsalicylic Acid Treatment and Impact on Short-Term Mortality in Staphylococcus aureus Bloodstream Infection: A Propensity Score–Matche




こちらも、CCMから、個別で紹介。
はっきり言って、マジか?、としか言えんわ。


カテーテル関連血液感染言うたらね、
Cvカテーテルを介した、ブドウ球菌感染が主流だったかと思いますが。
で、、、初めて聞きましたが、
アスピリンには、ブドウ球菌に対する抗炎症効果がある可能性がある、、、
らしいんすわ。
で、
ASAの効果を、ブドウ球菌と、大腸菌で比べてみようと。
レトロ観察で、それぞれ、838名、603名。
菌血症になる前に、ASAいってたかどうかで、比較。


Measurements and Main Results:
30日死亡は、314名のブドウ球菌、268名の大腸菌で比較された。
これが、1:1でASAの有無に分かれている。

ブドウ球菌群では、ASA群で、スタチンの使用が多かった以外に、背景に差はなし。

30日死亡は、
ASA 有り 12.1%
ASA無し 27.4%
(hazard ratio, 0.40; p < 0.001)

多変量解析でも、ASAで死亡は減少。
(hazard ratio, 0.38; 95% CI, 0.21–0.69; p = 0.001)

いろいろ調整しても、有意な差があった。
(hazard ratio, 0.58, 95% CI, 0.34–0.98; p = 0.04).

ただ、大腸菌群で見ると、
ASAによる効果は、有意ではなかった。
(hazard ratio, 0.78; 95% CI, 0.40–1.55; p = 0.8).


Conclusions:
血流感染で、
ASAの使用は、有意に短期死亡と関連していた。
ただ、この効果は、
ブドウ球菌にのみ有意で、大腸菌では、無効であった。


マジか?、
って思いませんか?

Sepsisに、ASAが効くかも、と思ってた時が僕もあったけどね、、、
コレはまあ、さすがにね、、。
レトロマジック、でしょうなあ、と。
なんかRctっていう感じでもないしねえ、
うーん、どうなんでしょう。
でも、感染に、凝固系も関わるはずだし、
血小板も、悪さする。
早期のSepsisで、血小板低下するほど悪い。
いなくなった血小板は、組織にくっついて、
組織障害因子を出すわけだ。
で、ASAで、組織にくっつかないと??
って思ってた頃があったんだが、、、
そんな単純じゃないっぽいんで、諦めたけど。
うーん、
とりあえず、、、、
マジか、とだけ言っとこ。