健側の乳房の下辺りがちくちくする。
ブラの何かが当たっているのかと、
仕事中制服の上から何度もブラをずらしてみるけれど、
ちくちく、ぴりぴり、痛い。
なんともなっていない。
なんだろう。
ブラじゃなくて制服の内側になにか出ていたのかも、
お風呂上がりに鏡の前でそう思った。
土曜日。
念のためシームレスのブラジャーにする。
これで大丈夫だろうと思ったものの、
昨日よりもちくちくが鋭い気がする。
昨日よりも背中のほうまでその範囲が広い気がする。
時間を追うごとに痛みが増していく。
ちくちく、
ぴりぴり、
ズキズキ。
相変わらずなんともなっていない。
けれど痛みが増してきて、
姿勢によっては顔が歪むくらいに痛む。
何かが触れると痛むことがわかってきた。
温めると緩和されることも。
症状のすべてを入れて検索する。
帯状疱疹。
画像を見て、うわあと思う。
症状を読んで納得する。
困った。
症状が進むとこうなるのか。
痛みも耐えがたいものになっていくのか。
シャツの上から温パックスを貼って寝る。
日曜日。
もうかなりの痛み。
でも見た目はなんともない。
けれど、痛みの範囲は広がり続けている。
痛い、痛い、痛い。
仕事は休めない。
しかも今日はワンオペ事務所業務なので、
痛いんだようと泣きつく相手もいない。
ひとりで良かったと後から思った。
誰かがいたら、
痛い痛いとギャアギャア言ったことだろう。
仕事中は気が紛れるけれど、
手が空くと痛みが直撃する。
海老のように丸まって机に頭を乗せてうーうー呻く。
ミーティングなので明日は全員出勤だ。
休もう。
肌の表面に症状が出る前に。
身体と心は繋がっている。
痛くてもう頑張れない。
午後は半分白目を剥きながら定時まで耐える。
真っ黒けのブラック会社め。
休んでやるー。
月曜日。
朝いちばんで皮膚科へ。
すべてに当てはまるのでたぶん間違いないけれど、
いまだに肌にはなにも出ていないので、
また来てくださいとかになっちゃうのかな…。
そうなったらイヤだな…。
金曜日からのことを時系列に話す。
土曜日の半分くらいまで話したところで、
ああ、それは帯状疱疹ですね、
中でウイルスが神経に触っているんですよ、と先生。
痛かったでしょう、と看護師さん。
表面に症状が出ていないので、
おそらく一週間薬を飲めば大丈夫と言われ、
心配が杞憂に終わりホッとする。
感染る心配もないとのこと。
どう過ごしていたらいいですかと聞くと、
栄養のあるものを食べて、
ゆっくり寝て休んでください、と先生。
ウイルスをやっつける薬をもらう。
見える症状が出る前で良かったですねと薬剤師さん。
ああそうなんだ、会社休んで良かった。
午後は寝よう。
なにもしなーい。
寝よう寝よう。
肝臓の一件があってから、
だいぶ体調が良くなった実感があったのだけれど、
やっぱり毎日疲れていた。
寝不足も。
予定は休日に集中するので、
なかなかゆっくりのんびりできる日がない。
まさに貧乏暇なし。
病院を出てすぐ朝の薬、
お昼を食べてまた薬。
そして2時間寝た。
ぐっすり。
熱いお風呂にゆっくり入って夜になった頃に、
痛みがかなり薄れていた。
すごいなー、薬!
もっと時間に余裕を持つことを心掛けよう。
たくさんのことは望まず、
ゆっくり過ごそう。
結論。
帯状疱疹は痛い。
鼻からスイカ級に!