令和4年度出土遺物公開事業
「柏北部東地区の遺跡展ー地中からの目覚め」
柏北部東地区は、つくばエクスプレスの路線開発にともなって、 柏たなか駅周辺の土地区画整理事業として計画されました。
地区内には小山台遺跡・駒形遺跡・矢船遺跡などが知られ、旧石器時代から中・近世に至るまでの遺構・遺物が見つかっています。
千葉県教育振興財団の「出土遺物公開事業」展は、毎年県内3カ所の博物館で開かれます。去年は袖ヶ浦郷土博物館で見学しました。
今年は、柏→船橋→1月21日からは千葉中央博物館。1月28日にミニ講座があるというので、千葉中央博物館に行ってきました。
募集はでは”ミニ講座”でしたが、”展示説明会”に変更になりました。スライドで説明されるより、現物を見ながら説明してくれた方がいいので、結果オーライでしたけど。
第Ⅱ部縄文時代
最初にムラが見つかっているのは、早期後葉条痕文期
大きなムラがつくられたのは、前期初頭から末葉と、中期前葉から後葉
前期のムラでは347件の住居跡
9か所ほどの環状あるいは列状のまとまりが見られるので、黒浜式期の関東最大級のムラと考えられる
前期初頭から中葉の土器は胎土に繊維を多く含み、羽状縄文土器群と総称される
花積下層式(駒形遺跡)
前期初頭の花積下層式は、あまり出土例がないようです。
二ツ木式(駒形遺跡)
開山式(駒形遺跡)
還付末端縄文というそうです。
開山式(駒形遺跡)
黒浜式(富士見遺跡)
浮島式(駒形遺跡)
諸磯式(富士見史跡・花前Ⅰ遺跡)
花前Ⅰ遺跡から出ている諸磯式土器(右上)、かわいいですね~
開山式といい、この諸磯式といい、私はポチッとくっついたモノに惹かれるようです(笑)
興津式(矢船1遺跡)
中期の土器
縄文海進のころ、千葉県は島のような状態で、柏市の先で本州と接触している
このような位置にあれば、人や文化の交流が盛んであったろうと想像できる
前葉~中葉の大松遺跡や小中台遺跡からは、各形式の接触で生まれたり、遠隔地の文様要素を加えた土器群が出土している
阿玉台式
大木式系
勝坂・北陸・焼町系
中峠0地点型
ん?これ加曽利E式じゃないんだ・・・
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後葉になると、加曽利E式が成立して斉一性が認められるようになる
しかしながら、中葉では人と文化の頻繁な交流からか、中峠類型と総称される小範囲に分布し、顔つきが異なる複数の土器が認められる
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中峠式土器は、千葉県北西部の中峠遺跡から出土した土器群を標準に、縄文時代中期中頃の勝坂式器・阿玉台式と後半の加曽利E式をつなぐ中間的な土器型式です。
どおりで似てると思いました。
中峠5次2住型
北50住型
小山台S0001型
そして加曽利E式!ほかに称名寺式や堀之内式も出ています。
縄文時代だけでもたくさんありすぎたので、今日はここで終わりにします。
2月19日の講演会(これは10時30分~15時30分の長丁場です)に申し込んでいますので、続きはまたその時に書きますね。