秋の香 | 古墳んぽ~古墳と野の草を観察しながら散歩

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高松のこの峰も狭に笠立てて

 

満ち盛りたる秋の香のよさ

 

作者未詳

 

<訳>

高松の峰も狭いほどに松茸が傘を立てて

 

満ち溢れている

 

なんて秋の香のよいことだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 「高松のこの峯」とは、奈良市の高円(たかまど)山を指すとされています。平城京の郊外にあり、聖武天皇の離宮も営まれました。「奈良大文字焼き」でも名が知られています。

 

 

 

この歌は、万葉集巻10に収められ、「芳(か)を詠める」と題されています。

 

秋に香りのよい物はたくさんありますが、「高」・「立てて」・「秋の香」と表現されていることから、マツタケのことを指していると思われます。

 

 

 

 

 

 

 

マツタケ(松茸)

 

キシメジ科のキノコ

 

日本原産
 

 

秋に、主にアカマツ林の地上に生える。

 

菌糸の成長速度は遅いこと、松枯れなどにより生育地の松林が減少傾向にあるため、絶滅危惧種(IUCN)となっている。

 

 

 

 

 

 

 

じゃあ、マツタケが食べられないようになるかというとそういうわけでもなさそうです。マツタケは世界中にあるわけで、しかもマツタケの香りを「芳しい」と思ってるのは日本人くらいだそうです。

 

 

 

 

 

キノコ繋がりで・・・

 

 

 

縄文時代中~後期(4000~3000年前)の青森県大川添遺跡から、「キノコ型土製品」で蓋をされた「鳥型土器」が出土。


キノコ型土製品は東北北部を中心に多く出土しているが、土器の近くで見つかっていることから、用途は蓋ではないかと考えられていた。

 

「キノコ型土製品」で蓋をされた状態で見つかった土器は、これが初めて。

 

 

 

 

 

 

もしかしたら、縄文人もマツタケを食べていたかもしれないですね。