たとえば、
「暴力を受けている子」
と
「暴力は受けていないけど、他人が暴力を受けているのを目撃している子」
がいたとします。
この2人が並んでいる時、多くの人が心の中で
「直接被害にあった人の方が心の傷が深いのでは」
と考えがちです。
これは、「目撃者」サイドの本人もそう思っていることが多いので
「私はそこまで大変な目にはあってなくて…」
なんてことを口にしたりもします。
でも、実際にそういう方がカウンセリングにいらっしゃると
ご本人の訴える内容や出来事への反応が、虐待を受けていた方とほぼ同じだったりします。
実際、児童虐待の1分類である「心理的虐待」の中には
「虐待を受けている家族を目撃すること」
という項目が含まれているんですね。
決して「実際に何かされたわけじゃないから大丈夫」なんてことはないんです。
むしろそうやって、本人も「自分はマシな方」と思い、
周囲も「実際にされたわけじゃなくてまだよかったね」なんて
思うことで
心の傷が正しく扱われず、
生活の全く別の部分でトラブルや悩みが発生したりします。
一見「なんで自分はこんなことで悩んでいるんだろう」と思えるような悩みの中には
こうやって適切に扱われなかった心の傷が、形を変えて表出している場合があります。
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※このブログ内に登場するエピソードは特定のクライアントさんの経験談とは関係ありません。