おろしたてのスニーカーやシャツに、初めて傷や汚れがついた時
「うわ~!ここに傷をつけちゃった!」
と、みんなが気づくことができます。
でも、
「じゃあ、今はいている古い靴を見てください。今日その靴に傷がひとつつきましたが、それはどこでしょうか?」
と言われたら、答えられる人は激減します。
人間って、傷でも汚れでも、幸せでも不幸せでも、
数が多くなればなるほど、1つ1つに集中することが出来ないんです。
だから、はきなれた靴に無数についた傷たちよりも、
新しい靴にたった一つついた小さな傷の方が目に入って、
落ち込んだりします。
面白いことに、この「逆バージョン」がカウンセリングでは起こります。
例えばこの星マークのひとつひとつが、悩みや問題、心の傷だとします。
カウンセリングに来たばかりのクライアントさんは、悩みや問題、心の傷が無数にある状態ですよね。
この星を、視覚的に「全てを同時にはっきり捉える」ことは出来ません。
どうしても全体をぼんやり見る感じになってしまいます。
これと同じで、たくさん悩みがあると、
クライアントさんは当然苦しい思いをするものの、「1つ1つに意識が向きにくい」状態にもなります。
さて、ここからカウンセリングを受けたり、クライアントさんの努力によって悩みが減っていくと…
どうでしょうか。
さっきよりもスッキリして気持ちがいいですね。
この状態になると、クライアントさんは
「カウンセリングでよくなった!」
「悩みが解決されて生きやすくなった!」
と感じます。
そこで、さらに悩みや苦しみを解決していきましょう!と頑張ってみます。
ここで、ちょっと不思議なことが起こります。
さっきよりもさらに星の数は減ったのに、
「私にはまだまだ問題があると感じた」
「カウンセリングでよくなっただけで、私の頑張りじゃない。私はダメな人間のままだ」
「まだ私は改善していない」
と感じてしまうクライアントさんがいらっしゃるんです。
これは、星の数が減ったことで、「一つ一つの星をはっきり見ることが出来るようになったから」とも言えます。
一つ一つがはっきり見えるようになったから、なんだかそれが大変な問題のように見えたり、
今までなかった悩みが発生したかのように感じます。
カウンセリングでよくなったと感じたのなら、そこには必ずクライアントさんの努力と成長があります。
そもそも、自分と向き合う場所に足を運び続けたということ自体が、クライアントさんの努力ですしね(^^)/
なので、「良くなったはずなのに、なぜか最近自分をダメだと感じる」という時は、そこにもちゃんと理由があるはずです。
ぜひ悩まずに教えてくださいね。
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