支えても尽くしても泥沼「イネイブラー」① | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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 イネイブラーとケアテイカー

 

最近せっかくアダルトチルドレンについて書いているので、

ついでにイネイブラーとケアテイカーについても簡単に書いてみようと思います。

 

アダルトチルドレンの6タイプのうちの2つである「ケアテイカー」と「イネイブラー」は、人のお世話をするタイプの人たちです。

 

子供のころ、例えば母親が病弱であったり、父親が頼りなかったり…と、要は「親が親の役割を果たせない環境」だったりすると、

 

子供が精神的・あるいは実際の役割的に「家族の親代わり」をすることがあります。

 

 

親代わりとなった子供は家族のお世話をし、時に自己犠牲的になりながら家族を支えて大人になるのですが、

 

大人になって家族と離れた後も、「世話役」という役割は板についているので、

 

身近な人(友人、恋人、自分の子供)のお世話役や相談役をしていたり、人を支える仕事についている人も少なくないようです。

 

 

 2つのタイプの決定的な違い

 

イネイブラーとケアテイカーは一見とても似ているように思えます。

 

というよりも、表面的な特徴はほぼ同じかもしれませんね。

 

でもこの2つには大きな違いがあります。

 

それは、

 

ケアテイカーがただ「人のお世話をしたり、支えたりする」のに対して、

 

イネイブラーは「相手のためにならない(現状維持のための)お世話をしてしまう」という点。

 

例えばアルコール依存がある方の近くには、「献身的に支えてくれる人」がいることがあります。

 

 

表面的に見れば、「あんな(アルコール依存症の)人を見捨てずに必死に支えて、すごいわね」となるのですが、

 

実際は、「お世話をしすぎるからアルコール依存症が改善しない」という裏の側面を持っていたりします。

 

この、相手の問題を助長させてしまうような援助のことを「イネイブリング」と言います。

 

 

 イネイブラーの苦しみ

 

イネイブラーのする「お世話」は、表面的には非常に自己犠牲的で、愛情的な行為に見えます。

 

でも、実際はその支え方はせっせと「沼」を作っている状態で、足を踏み入れた相手はいつまでも変われなくなってしまいます。

 

問題は、イネイブラーの人もわざとやっているわけではないということです。

 

わざとやっているのであれば、それをやめてもらえさえすればいい話なのですが、

 

イネイブラーになってしまう人は「相手の問題を泥沼にしよう」なんて思っていませんし、本当に相手のことを支えようとしています。

 

だからこそ、支えても尽くしても相手がいつまでもよくならないことに、イネイブラー自身もとても苦しみます。

 

 

では、イネイブラーになってしまう背景に、どんな傾向があるのか……を、明日書いていきます(笑)

 

 

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