イネイブラーとケアテイカー
最近せっかくアダルトチルドレンについて書いているので、
ついでにイネイブラーとケアテイカーについても簡単に書いてみようと思います。
アダルトチルドレンの6タイプのうちの2つである「ケアテイカー」と「イネイブラー」は、人のお世話をするタイプの人たちです。
子供のころ、例えば母親が病弱であったり、父親が頼りなかったり…と、要は「親が親の役割を果たせない環境」だったりすると、
子供が精神的・あるいは実際の役割的に「家族の親代わり」をすることがあります。
親代わりとなった子供は家族のお世話をし、時に自己犠牲的になりながら家族を支えて大人になるのですが、
大人になって家族と離れた後も、「世話役」という役割は板についているので、
身近な人(友人、恋人、自分の子供)のお世話役や相談役をしていたり、人を支える仕事についている人も少なくないようです。
2つのタイプの決定的な違い
イネイブラーとケアテイカーは一見とても似ているように思えます。
というよりも、表面的な特徴はほぼ同じかもしれませんね。
でもこの2つには大きな違いがあります。
それは、
ケアテイカーがただ「人のお世話をしたり、支えたりする」のに対して、
イネイブラーは「相手のためにならない(現状維持のための)お世話をしてしまう」という点。
例えばアルコール依存がある方の近くには、「献身的に支えてくれる人」がいることがあります。
表面的に見れば、「あんな(アルコール依存症の)人を見捨てずに必死に支えて、すごいわね」となるのですが、
実際は、「お世話をしすぎるからアルコール依存症が改善しない」という裏の側面を持っていたりします。
この、相手の問題を助長させてしまうような援助のことを「イネイブリング」と言います。
イネイブラーの苦しみ
イネイブラーのする「お世話」は、表面的には非常に自己犠牲的で、愛情的な行為に見えます。
でも、実際はその支え方はせっせと「沼」を作っている状態で、足を踏み入れた相手はいつまでも変われなくなってしまいます。
問題は、イネイブラーの人もわざとやっているわけではないということです。
わざとやっているのであれば、それをやめてもらえさえすればいい話なのですが、
イネイブラーになってしまう人は「相手の問題を泥沼にしよう」なんて思っていませんし、本当に相手のことを支えようとしています。
だからこそ、支えても尽くしても相手がいつまでもよくならないことに、イネイブラー自身もとても苦しみます。
では、イネイブラーになってしまう背景に、どんな傾向があるのか……を、明日書いていきます(笑)
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