昨日の続きです。
オキシトシンという、「身内感」を生み出してくれるホルモンは、一方で「部外者」とか「敵」みたいな感覚も生み出してしまうことになります。
これが、
家族との心理的な距離が近い人や
家族を支えなければいけない役割を担ってきた人が、「他者とうまくなじめない」と悩んでしまうことにちょっとつながってきます。
昨日も書いた通り、オキシトシンはスキンシップやコミュニケーションなどによって分泌が増えやすくなります。
つまり、たいていの人間は家族(特に親)に対してオキシトシンが出ているということになるわけです。
でも、私たちは思春期に反抗期がありますよね。
あれはいわゆる「親に敵意が向いて、学校の友達は仲間」の状態。
私たちは、もともと家族にオキシトシンが出ている状態だったのを、社会で人と関わることで徐々にその範囲を拡大させたり、「親がいないとダメ」な状態から抜け出していく、という風に考えることができます。
つまり、
家庭という小さくてあまりも親密な「身内」を卒業して、社会となじめるようになっていく、という段階が必要なんです。
でも、例えば家族を支えなきゃいけない子は、どうでしょうか。
自分がニコニコしてないと母親がヒステリーのようになるとか、
自分が勉強をしていないと親に殴られるとか、
自分がちょっと気を使っていないと夫婦喧嘩が起きるとか。
もしくは親が精神的、身体的に弱っていて、手伝いをしていないといけないとか。
そういう家庭環境の中では、そもそも子どもに役割が与えられすぎているので、「家族」という身内から抜け出ることが難しい。
それは、子供が「家族を支えたい」と思っていようが「こんな家はクソだ!」と思っていようが、あまり変わりません。
オキシトシンは身内感を作るホルモンです。
そして「身内」ができるということは、自動的に「ヨソ」ができるということでもある。
何が起こるのか、だんだんイメージしやすくなってきましたね。
続きます
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