※ここに登場するクライアントさんは、特定の方を示すものではありません。よくお聞きするご相談内容の一部を変更して書いています。
あるクライアントさんが、
「新卒で入社した子の担当になったけど、なんかうまくやれないんです」
と悩んでいました。
「指示を出したときは”わかりました”と言うんですけど、実際にやったものを見るといつもちょっとズレてるんですよね…。あとは、3つ頼むと2つしかやってないとか。」
クライアントさんなりに工夫をして、仕事のチェックリストを作って渡してみたりもするのですが、それでも改善が難しいところがあるのだそうです。
「わからないところがあったら聞いてねと言っても質問してくれないんですけど、明らかに手が止まってることも結構あって…」
クライアントさんは男性で、担当している新卒の部下は女性なので、なんとなく気を使ってしまって、どこまで踏み込んでいいのかも躊躇してしまうようです。
「以前、一回ミスを注意したことがあるんですが、あんまり反省の言葉とかも出てこなくて、でもそれを伝えたら泣いてしまって…正直何を考えているかわからないというか…どう対応したらいいんですかね」
クライアントさんはいかにも真面目に、冷静に話をしています。
でも膝に置いている手には力が入っていて、この問題に悩んできたことを物語っているようにも思えます。
話を聞いていくと、クライアントさんはこの部下と関われば関わるほど、自分に自分がなくなっていくような不安を感じることが分かってきました。
そこで、まずはその不安感に一度アプローチをしてから、一緒に作戦を立ててみます。
クライアントさんは会社でもそれなりの立場に立っており、あまり相談できる相手がいませんでした。
そのせいでアイデアも行き詰っていたようです。
「自分のストレスがたまりすぎていたので、”部下のためになにをしてあげるか”という視点で考えることがつらかったんですが、今はスッキリしたので冷静に考えられます」
話し合いをするよりもクライアントさんからたくさんアイデアが出たので、私はほぼ板書係でした(笑)
最後に、クライアントさんの部下のお話をお聞きして、「わざとらしいくらいの笑顔で接してみて」と提案をしてみました。
後日、クライアントさんがカウンセリングに来て、こうおっしゃいました。
「ずっと笑顔でしゃべるようにしたら、向こうから話しかけてもらえるようになったんです。これは私の笑顔が足りなかったんでしょうか。」
いえいえ、そういうわけではないんです。
明日に続きます。
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