現実は敵じゃない | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

開設から18年。不安感・対人関係・恋愛・トラウマについて小さなご相談から改善に向けた専門的な分析・心理療法によるカウンセリングまで幅広く承ります。仙台駅前パルコ2から徒歩1分のビル内にある看板のないカウンセリングルームです。Zoom、スカイプ、お電話でも承ります。

おいしそうなスイーツの写真を見て、期待に胸を膨らませてから食べてみると、

 

「あれ?思ってたほどじゃない…」

 

なんて思うことがあります。

 

思ってたほどじゃない、という感覚があるということは、当然ですが「自分の頭の中でスイーツの理想の味を想像していた」ということになりますよね。

 

そして、現実に食べたケーキが、理想の味に届かなかった、と。

 

現実が、頭の中の世界に及ばない。

こういうことが人生にはよく起こります。

 

そりゃそうですよね。

 

頭の中の世界は、どこまでも理想的に作り上げることができますから。

 

 

 

人のあらゆる悩みや不満の多くは、この「頭の中の理想と違う」ことで問題が大きくなっていると考えることもできます。

 

子供が問題行動ばかり起こすとき、親の頭の中には必ず「言うことを聞くいい子」という理想が浮かびますよね。

 

「嫌われたかも」とびくびくするとき、頭の中には「こんな自分だったらきっと嫌われないのに」とか「これを言わなければ嫌われなかったのに」という理想の姿がありますよね。

 

もう何もかも嫌だと思うとき、「この世から消えてスッキリする自分」が頭の中を占領することがありますよね。

 

よくあるのが、他人と自分を比べることで悩んでいた方が、よくよく考えれば、本当は頭の中にある「理想」と比べて悩んでいた、なんてケースです。

そのくらい、頭の中の世界は魅力的。

 

では、頭の中に理想があるのはよくないのか?というと、そうではありません。

 

よくないのは、理想に没入して現実が敵になってしまうときです。

 

 

頭の中でなら、どこまでも理想の世界を思い描くことができます。

でも、それをするたび、「そうではない現実」と向き合うのが少しずつ怖くなっていく。

 

するとますます頭の中に安全で素敵なイメージが膨らんで、

現実世界とのギャップが深まっていく。

 

「いや、理想は理想、現実は現実でしょ?」と言いたくなる人ももちろんいると思います。

でも、実はそんなに簡単な話ではないんですよね。

 

もしかしたら、この話は「期待をした分だけがっかりする気持ち」に置き換えたほうが、理解しやすいかもしれません。

 

期待って、頭の中で考えているだけのことなので、天井がないんです。

現実と違って、なんの制約もない。

だからどこまでも最高を描けてしまう。

 

そして、最高を描いた分だけ現実のちょっとしたことがすぐ気になって、ちょっとしたことで人一倍落ち込んでしまったり、小さなことでピリピリしたり、安定を保つのが難しくなる。

 

それが頭の中の「最高」と比較されるから、現実が最低なものに思える。

 

そうやっているうちに、現実=触るのも見るのも怖いものになってしまいます。

 

 

こうやって、自分の世界に閉じこもるようになってしまうと、外の世界が非常に苦痛なものになったり、現実の自分を大切にできず雑に扱うようになってしまいます。

 

でも、私たちが生きられるのは現実だけ。

現実は本来敵ではなく、味方につけるべき存在ですよね。

 

頭の中に広がる理想もいいけれど、そんなことに頼らなくてもいい現実世界になったなら、人生も乗りこなしやすいように思います。

 

このブログは毎日19時に更新されます

 

カウンセリングルームまきびHP

 

Instagramも更新しています

 

 

当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら

 

佐藤楓カウンセリングHP

 

佐藤楓Instagram