生きていたら、いいことも悪い事もありますよね。
それはカウンセリングに通った後も同じことです。
カウンセリングに通ったら、強い自分になれるわけではありません。
何も感じない自分になれるわけでもありません。
過去の心の傷が癒されても、人からひどいことを言われたら当然落ち込むし、自分の思う通りにならない時にイライラしてしまう時だってあります。
自分の心の傷とは無関係の理不尽な不幸に見舞われることだってある。
じゃあ、何のためにカウンセリングに通うんだろう?
まずは、居場所として。
自分のことをたくさん話しても、人には言いにくい心の中を打ち明けても、それが外の世界に何の影響も与えないという安心感。
後から、誰かに迷惑をかけたかな?どう思われたかな?言わなきゃよかったかな?と不安にならなくて済むのは、カウンセリングという閉じた空間だからこそと言えるかもしれません。
仕事とか、家庭とか、そういう現実の大変な世界から「一時避難」出来ること自体が、ちょっとした救いになる方もいます。
次に、自分の感覚を取り戻す時間として。
人の人生を振り返ると、思っているより「自分を整理する時間」が用意されていないことに気付きます。
義務教育を終えて進学して、毎日仕事に行き、結婚や育児をする人もいて、ある日大事な人やペットを失ったとしても、またすぐに仕事が待っていたりする。
忙しさは救いになることもあるけれど、自分への違和感やちょっとした傷つきを癒す間もなく進んでいく日常は、コップに水が一滴ずつ落ちていくように少しずつこころの疲れが溜まっていきます。
生きるために見ないふりをしたもの、
生きるために知らないふりをしたこと。
そういうものを少しずつほどいてコップの底を覗いてみれば、隠された自分が膝を抱えて待っています。
それに気付いて、受け入れること。
自分を取り戻していくことは、生きやすさの基本にして最重要なポイントなんです。
続きます
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