仮想的有能感 | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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(昨日の続きです。)

 

ところで、

「自分よりダメな人を見て安心する(下方比較)」事は、「周囲をバカにする」事とはちょっと意味合いが違います。

 

  「下方比較」と「仮想的有能感」

 

下方比較と混同しやすい言葉として、「仮想的有能感」があります。

 

仮想的有能感というのは、簡単に言うと「他人を下げることで相対的に自分を上げる」こと。

 

「自分よりダメな人を見て安心する」下方比較は、よくこの仮想的有能感と勘違いされてしまいがちですが、両者は似て非なるものです。

 

下方比較は出来ない人を見ることで安心したり、自分を肯定できる力に結びつけたりすることができるので、いわば「メンタル安定」のための手段です。

 

自分を上げるというよりも「ダメなのは自分だけじゃないかも」と分かることが安心につながり、目の前の事に取り組んだり楽しんだりする心の余裕が生まれるという事ですね。

 

一方、仮想的有能感というのは「他人を下げることで相対的に自分を上げよう」とするものです。

 

これはどちらかというと、「やったこともない他人の仕事を見下す」とか「国や大企業を動かしてる人達も実はたいしたことないと言う」「他人の発言には価値がないと感じる」みたいな感覚ですね。

 

端的に言えば、他人をディスることであたかも自分が本質を分かっているかのような、正しいことを言っているかのような気持ちになれる(有能感)ことなどを言います。

 

「安心」ではなく「自分はすごいんだぞ!」という感覚に重きを置くので、下方比較と比べて「その後」がありません。

 

つまり、下方比較でメンタルが安定するならば、それを「よし!」と何かを頑張る力に変えられる可能性もあるんですが、

 

仮想的有能感によって「ほんとみんなバカだよね~」と思うことは、「自分はすごい」から何もしなくていい、になりやすいんですね。

 

 

続きます

 

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