昨日の続きです。
根拠のない自信は、誰にも壊すことが出来ない
自分に自信が持てない人は、心のバランスを取るために自分の内側に自信を持つようになる、というお話でした。
つまり、「自信がない」分だけ「本当はすごい私」という自信をこっそり持つことで心の天秤を安定させるんです。
なぜ内側の世界なのか?
外の世界には、コントロールできない他人がいますよね。
すぐに変わってしまう環境がありますよね。
そういう場所では、自信がない人はあっという間に他者と比較して「自分はダメだ」モードになってしまう。
それに対して、想像力、才能や可能性、性格など、内面に関わる目に見えないものであったら、他者との比較が難しいので「自信」を保ち続けることが出来るんです。
ここで、「でも、外側の自分に自信がなければ、内側の自信だってそんなに保っていられないんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
それが、そうでもないんです。
なぜなら、「内側の世界」に対する自信には、根拠がないから。
例えば、心のどこかで
「私には本当はピアノの才能があって、ちゃんと習っていれば今頃世界で活躍していたかもしれない」
という自信を持っている人がいたとしましょう。
ピアノをちゃんと習ってこなかった状態で、「もしちゃんと習っていたら」という未来を検証することは不可能です。
皆の前で実際にピアノを弾くわけでもないので、実力を外にさらされて評価されることもありません。
つまりこの自信には、根拠がほとんどありませんよね。
根拠のない自信、それが大切なんです。
だって、
根拠がない自信は、誰にも壊すことが出来ないんですから。
根拠がないということは、誰とも比べられないということです。
誰とも比べられないということは、自信をへし折られることもありません。
だから自信がある状態を保つことができます。
そのおかげで、心の天秤が壊れずに済むんです。
自信がない人達は、外の世界で自信を失えば失うほど、自分の内側にお宝を見出すしかなくなり、
そこに明確な根拠を求めないことで、お宝を「誰にも壊されないダイアモンド」に変えて自分を保っていくのです。
ところで、
根拠のあるなしに関わらず、自分に自信があるのは本来とても良いことだと思いませんか?
自分に自信があれば、他人に振り回されない人生を生きやすくなるはずです。
「自己肯定感」や「自信を持つ」ことの大切さを、世の中はずっと発信しています。
そして外の世界で自信を持てない人たちは、こうやってちゃんと内側に自信を作り出している。
なのにどうして、いつまでも生きづらいままなのでしょうか?
自信を持っても生きづらい…なぜ?
外の世界に自信が持てなくても、内側の世界に自信を持つことで健康的に幸せな人生を送ることが出来るのなら、何にも問題はありません。
でも実際は、どれだけ内側の世界に自信があっても
他人の一挙手一投足に不安を感じ、他人と自分を比べて落ち込んでしまう人がたくさんいます。
なぜでしょうか。
それは、内側の世界に自信を持つのはあくまで「生きるためのシステム」であって、「幸せに生きるためのシステム」ではないからなんです。
例えば、芸術家志望のAさんがいたとします。
Aさんの頭の中には、本当に美しい絵画のイメージがいくつも存在していて、実際に見ることが出来たら誰もが感動する傑作ばかりです。
Aさんは早速部屋の中をアトリエ仕様にして、質のよい画材を購入しました。
でも、Aさんは絵をいつまでも描くことが出来ないんです。
頭の中には確かに素晴らしい絵画があるのに、誰にも見せることが出来ないばかりか形にすることも出来ない。
……このAさんを、どう感じますか?
アイデアだけはいいけど、実際に描く力はない人と捉えることも出来ます。
いやいや、どうせアイデアだって大したことないんだろう、と思うことも出来ます。
でも、こうも考えることが出来ます。
「外の世界に出してしまったら、自信がなくなってしまう」
これが、「内側の自信はあるのに生きづらい」人に起こってしまうカラクリです。
もう少し詳しい説明を、明日書きます。
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