昨日の続きです。
生きづらさのカラクリ
Aさんは、「素晴らしい絵画の完成図が頭の中にあって、描いたらすごいことになる」という自信をもっているのに、それを絵にすることが出来ません。
ここには、
「実際に絵を描いたら周囲から酷評されて、自信を失ってしまうかも」
という他者への不安感も原因としてあるでしょう。
でも、それだけではありません。
例えば絵の下書きを始めた時に、思う様に線が引けない、何かが違う…と「自分自身」が感じた時に、すでに自信が無くなってしまいます。
「描ききれないかもしれない」
「思っていたよりもしょぼい作品になってしまうかもしれない」
そんな気持ちも押し寄せます。
自分の中に描いた自信(理想)が壊れることが怖くなるんです。
内側の「根拠なき自信」は、外の世界に出さなければ他者に壊されることはありません。
でも、形にしようとするだけで、自分自身が壊してしまう可能性がある。
これが、「内側にダイヤを抱える」事の難しさです。
自信を持つことは良いことで、そこに根拠がなくたって別に構わない。
でも、根拠がないからこそ持てる自信は、根拠がないままにしないといけない。
だからAさんはいつまでも絵が描けないんです。
もちろん、努力したら本当に素晴らしい絵を描くことができて、皆に評価される可能性もあるはずですが、
それよりも、「ほんとはすごくないのかもしれない」と気づいてしまうリスクが高すぎるんです。
もしそんなことになったら、心のバランスが大きく崩れてしまうからです。
世の中の努力が出来ない人たちは、怠け者と思われがちですが
こうした「根拠のない自信」が壊れてしまうことを恐れて「何もしない」を貫いていることがあります。
「自信がない」を改善すれば、動けるようになる
誰の心の中にも、「自信がない」「自分はダメだ」と思う分だけ「私はすごいはずだ」という気持ちが隠れています。
自信が無くなればなくなるほど、心のバランスを取るために「私はすごいはず」「本当は何か強みがあるはず」という根拠なき自信も大きくなっていくからです。
すると今度は、「私はすごいはず」と思い続けなければならなくなるので、「本当はすごくないかも」に直面しそうな事から全力で逃げなきゃいけなくなります。
逃げるという事は、本当にあるかもしれない才能も、能力も、活かせないままにするということ。
逃げれば逃げるほど、自信が根拠のないものになり、本当の能力は活かされず、外の世界では「自信がない」状態になってしまうんですね。
自信がない、と自信がある、はつながっています。
だから、どちらかを動かせば、実はもう片方も連動します。
「自信がない」とか「不安感」を取り除くことで、前向きに考えられるようになるので、内側にある自信に捉われなくなります。
内側にある自信に捉われなくなるから、「失敗してもいいから、何かやってみようかな?」と思えるようになるんですよね。
ダイエットとか、転職とか、婚活とか。
そこでようやく、もともと持っていた本人の魅力や能力が顔を出し始めます。
自分に自信がないというのは、「もう傷つきたくない」という意味でもありますので、
傷ついても大丈夫かも?
ちょっと失敗したくらい、大丈夫かも?
と思えるようになったら、自然と不安もこだわりも消えて、本来の生き方ができるようになっていきます。
おしまい
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