昨日までの続きです。
嫌われたくないという気持ちの中には、「人は私を嫌う」という気持ちが含まれています。
人によっては、「嫌われる」よりも「疎ましがられる」とか「イラっとされる」という表現の方がピンと来る方もいるかもしれませんね。
他人は容易に自分に敵意や嫌悪感を向けてくる存在であるという感覚が身に付いていて、だからこそ「嫌われたくない」と感じます。
いくら八方美人を続けても安心出来ないのは、他者ではなく自分の中に「人は私を嫌う」という気持ちがあるからですね。
もう一つ、八方美人の「嫌われたくない」は、「ほぼすべての人類に対して嫌われたくない」であることがほとんどです。
まあ誰だって人に嫌われるのは嬉しくないのですが、八方美人は特にその感覚が強いので、変な話「本当にどうでもいい人」「もう二度と関わらない人」に対しても嫌われたくないという気持ちが強くなります。
要するに、八方美人の人には
・人に対する信頼感が薄い
・嫌われると大変なことになると感じている
・人との関係性において「信頼の優先順位」が無い
という特徴があることが分かります。
「信頼の優先順位がない」というのは、たとえ家族だろうが世話になった人だろうが立ち寄った店にいただけの店員だろうが、どんな関係の相手であっても平等に「嫌われたくない」と思っているということです。
八方美人の人達は、「大事な人と他人」の対立に巻き込まれた時であっても、他人に逆らうことが怖いんです。
出来ることなら両方から嫌われたくない、と感じます。
こんなにも「嫌われたくない」(裏を返せば「人は簡単に私を嫌う」)と感じる背景には、やはり小さい頃の経験、特に養育者との関係のクセに端を発することが多いと考えられます。
養育者との信頼関係や安心感は、外の世界との関り方に反映されやすいです。
(遺伝的、別の理由の場合ももちろんあります)
これは単純に「子供に関心を持たないひどい親に育てられた」という話だけではなくて、子供の要求に答える親のタイミングがずれていたとか、両親同士の関係性とか、いろんな事情が絡んでくるので、親も子も「うちは良い家庭だった」と答える場合でも起こりえます。
ですので、家庭環境に問題があったか?というよりも
①誰にでも嫌われないようにしてしまう
②「相手の不快そうな顔」や「相手がこっちに何かを言ってくる様子」を(相手はまだしてないのに)イメージしてしまう
③特に大事ではない人からも嫌われるのが怖い
こんな項目に当てはまるかどうかで、ご自分を振り返ってみると何か発見があるかもしれませんね。
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