昨日の続きです。
人は、「まだ言われていないこと」や「言葉の裏にある意図」を頭の中で想定して、責められたと感じてしまうことがあります。
もちろん相手のこれまでの言動に原因があることもありますが、相手に関わらず「責められた」「攻撃された」と感じやすい人がいるのも事実。
攻撃されたと感じやすい人は、頭の中に「架空の相手」を作り出してしまう傾向があるんです。
例えば、上司に「あの仕事どうなった?」と聞かれたとします。
上司はただ仕事の進捗を知りたかっただけ。
でも「どうなった?」と聞かれた瞬間、頭の中の「架空の上司」はこんな言葉を勝手に付け足します。
「あの仕事どうなったの?まだ手をつけてないの?遅いなあ、そんなに時間がかかることじゃないんだから早く仕上げてよ」
そんな言葉が聞こえてくるから、
「〆切までまだ3日もあるのに何で責めるようなことを言うの?」
「やってない人には大変さが分からないでしょうね!」
なんて気持ちになってしまう。
あるいは、初めてデートをしたときに、相手の男性がご飯代を出してくれなかった場合。
頭の中の「架空の男性」は、こんな風に言葉を付け足すかもしれませんね。
「お金を出してあげるほどの女じゃないから、割り勘でいいか」
そんな言葉が聞こえてきたら、やっぱり
「私は大切にされてない!」
「器が小さくてケチな人」
とイラっとしてしまうかもしれません。
このような「架空の相手」を頭の中で作ってしまうケースは、とても親しい間柄の相手でも起こります。
パートナーや子供から「今日は外食したい!」と言われた時、
やっぱり頭の中に「架空の相手」が出てきて、ご丁寧に言葉を足してくれるんです。
「作ってくれるごはん、あんまりおいしくないんだよな。違うもの食べたいな。」
そんな言葉が浮かんでくるから、
「どうせ私のご飯がおいしくないんでしょ」
「私だって頑張って作ってるのに!」
と、いや~な気持ちになります。
ところで、上記3つのやり取りを文章にして眺めてみると、面白い事が分かります。
上司「あの仕事どうなった?」
私(やってない人には大変さが分からないでしょうね!)
異性「割り勘でいい?」
私(私は大切にされてない!)
子供「外食したい!」
私(私だって頑張ってるのに!)
どうでしょうか。
そう、実はコミュニケーションが成立していないんです。
やり取りに「架空の相手」が参加し、目の前の相手が言っていないことも伝えてくるせいで、目の前の相手との「実際の」意思疎通にゆがみが出てしまうんです。
しかも、「架空の相手」が伝えることは一貫していつも同じ。
「言葉には裏の意味があって、その意味はあなたを傷つける」
というもの。
だから、いつも「責められている」「攻撃されている」と感じるのです。
続きます
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら