昨日の続きです。
子供のことがいつも心配で、子供に何かあると必要以上に傷ついたりショックを受けてしまう親(ここからは母親とします)の心には、どんな傾向があるのでしょうか。
例を2つご紹介しますね。
※紹介する2つの例は、前提として「親なら誰でも多少はやってしまうこと」です。当てはまっていたからといって「私はダメだ」と思う必要はありません。あくまで「当てはまっていて、なおかつ自分自身もつらいと感じている」方向けです。
①かつての自分や心の傷と重ね合わせてしまう
母親に心の傷や癒えていない過去があると、子供の失敗や想定外の出来事をなんでも自分と関連付けて考えてしまうことがあります。
分かりやすいのは、自分の見た目や能力に自信が無い親が、子供もそうなるのではないかと不安になってしまうケース。
自分がつらい目にあった経験があると、子供も同じように苦しむのではないかと考え込んでしまいます。
子供が苦しむ(苦しみそうだと考える)たびに自分の心の傷が刺激されるので、辛いのです。
また、母親自身が育ってきた環境や人間関係によっては、「子供がうまく育つかどうか」で自分を試されているような気持ちになることもありますよね。
子供の失敗を自分と関連させて、「育て方を間違えた」「こうするべきだったかも」と強迫的に悩み、自分のことを責め続けてしまいます。
自分と子供の人生を分けて考えることが苦手で、子供の人生が、自分の人生の延長線上にあるような、リトライさせられているような感覚になってしまいます。子供が何か失敗するごとに、自分の不出来を見せつけられているような気分になるのです。
②子供に目を向けることで別の問題から目をそらす
母親自身に不安や不満、寂しさなどがある時に、子供を一生懸命お世話したり心配したりすることで埋め合わせをしようとする心の働きがあります。
例えば夫婦の関係にストレスがあったり、孤独な環境で虚しさが募っていたり。
自分の中にある空洞を見ないようにするために、子供をかいがいしくお世話したり、必要以上に子供を心配して過干渉になるケースもあります。
暴れて手が付けられない子供や、何年も部屋を出ない子供などがいるご家庭では、「子供をどうしたらいいのか?」という悩みを夫婦が抱えて苦しむことになりますが、実は逆だったりするのです。
子供が暴れ、「大問題です!」と主張してくれるから、夫婦が自分たちの問題を見なくて済む。だから家族の形を保っていられる。そんなケースだってたくさんあります。
ところで、
①②のようなことを書いてしまうと、「それって結局私のせいで子供がこうなったってこと?」ととてもつらい気持ちになる方がいらっしゃると思います。
でも、それは違います。
続きます。
(便宜上母親と書いてますが、もちろん父親にも、そのほかの保護者的立場を担う人にも同じことが言えます)
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら