自分の人生に納得できなかった人が親(特にお母さん)になると、過度な「心配性」になってしまうことがあります。
心配の具体例としては、
「接し方が悪かったんじゃないか」
「自分のコンプレックスが似てしまったらどうしよう」
「いじめられてしまったらどうしよう」
「ああすればこの子はこうならなかったかも」
「もしかして他の子と違うのかも」
「将来もし働けなかったら?結婚出来なかったら?」
などなど。
大きく分けると
①今の子供の状態に対して「自分(接し方・遺伝など)が悪かったかも」と落ち込む
②「もしこうなってしまったら」という未来のことを想定して落ち込む
の2つの「心配」がありますね。
親というのは、子供の将来を案じたり色々と考えてしまうものです。
でも、あまりにも繊細な親というのは、(そのそぶりを見せなくても)かえって子供に負担をかけてしまうこともあります。
人の脳には、「ミラーニューロン」という神経細胞があります。
ミラーニューロンは、「相手の状態を脳が真似する機能」を持ちます。
例えばAさんが右腕を挙げた時、それを見ていただけのBさんの脳でも、まるで右腕を挙げた時のような反応が起こるんです。
これがミラーニューロン。
このミラーニューロンが、人の行動だけでなく感情や思考にも影響するんじゃないか?ということが言われています。
つまり、Aさんの感じている事をBさんも感じることがある、という意味です。
夫婦で少しずつ反応が似てきたり、若い人といると自分まで若々しくなったりする現象もありますよね。
何が言いたいかというと、例え口に出していなくても、
親の過度な不安やストレス、心配は子供に伝わっている、ということです。
そして難しいのは、その「伝わり方」を、親がコントロールすることは出来ないという点。
親の不安が「何でも完璧にやらなくちゃ」という伝わり方になることもあれば、
親の不安をそのまま受け取ってしまい「不安すぎるから家から出ない」になることもあります。
もちろん、「僕の不安じゃない!」と気づいて暴れる子もいます。
親が頭の中で大量に考える「こうなってしまったらどうしよう」のイメージが、子供の「こうなってしまったらどうしよう」につながってしまうことがあるんですね。
カウンセリングルームには、「子供のことが心配で仕方ない」という方が多くいらっしゃいます。
そして、皆さん「子供はどうなるのか?どうしたらいいのか?」と必死に悩んでいらっしゃいます。
アプローチはさまざまですが、一つ言えるのは
「親が繊細で心配性であり、傷ついた過去を抱えている場合は、カウンセリングに来るべきなのはまず親の方」ということです。
お子さんが大切で心配な気持ちの裏に、親の心の傷が隠れている場合があるからです。
心の傷を抱えた親は、子供も不幸な目に合わないか心配でたまりません。
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