自己肯定感が低い事にも意味がある | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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昨日までは自己肯定感について書いていました。

 

主に「自己肯定感ってなんだろう」「自己肯定感をあげるってどういうことだろう」という話でしたが、最後にちょっとだけカウンセリングに近いお話をして、終わりにしようと思います。

 

「自己肯定感が低い」ということには、実はそれなりに意味があります。

 

「自己肯定感が低いことに何かの利益があるから、自己肯定感を上げることが出来ない」と言った方が分かりやすいかもしれません。

 

この利益の正体が何なのか?というのがカウンセリングでは一つのポイントになります。

 

今回はよくある「利益」の2パターンを紹介しますね。

 

 

一つは、

「ダメな自分でいることで人から優しくされる」

というパターン。

 

 

自己肯定感が低いダメな自分でいることで、周囲から優しくされたり、「謙虚」という評価を得ることが出来たりますよね。

 

他人から優しくされるために、自分はあれもこれもダメだ…とあえて苦しむケースがあります。

 

人から優しくされる、評価される、ということが利益になっています。

 

 

そしてもう一つは、

「ダメな自分でいることで他人の嫉妬を避けようとしている」

というパターン。

 

 

自覚が持ちにくいケースですが、他者からの嫉妬(攻撃)を避けるために、あえて自分をダメにします

 

自己肯定感が低い→「いつまでも幸せになれない」ことが、外の世界から身を守ってくれるという利益になってしまっているパターンですね。

 

こんなことを書くと、

「利益があるのは分かったけど、そのために苦しむのって本末転倒なんじゃないの?」と思うかもしれません。

 

その通りなんだけど、そうじゃない。

最後にそれを説明しますね。

 

 

まず、何を「利益」と感じるのかは、その人の人生経験によって決まります。

その人がどんな環境で生まれ育ち、何を見てきたのかによって、「自分の生存戦略」という学習が成されます。

 

例えば、いつもピリピリしている母親のもとで育ったAがいるとします。

そんなピリピリお母さんが、Aが風邪をひいたときだけは優しくしてくれたのだとしたら、Aはそれを学習します。


 

 

「風邪をひいた時は親が優しかった」という経験が、「弱っていれば親は愛してくれる」という学びになります。

そしてそれが、「ダメで弱い自分じゃないと誰からも愛されない」という呪いに変わってしまう。

 

愛してもらうために自分が苦しむのは本末転倒、と傍から見れば思いますよね。

でも本人はそうじゃない。

 

Aの例でいえば、「親が自分を大切に養育してくれるか」というのは子供の生死に関わる問題です。

おまけに、一番自分を愛してくれる「はず」の存在です。

 

そんな大きな存在すら、弱った自分にしか優しくしてくれないのなら、いったい他の誰が「普通の」自分を愛してくれると思えますか。

 

自信が無いのは苦しい、いつも自分を責めていなければならないことだってつらい。

それでも、そうでなければ愛されないという学習が行われている以上、Aはそうしなければならないんです。

 

こんな学習をしているとAはどうなるか?

愛され続けるために、自分にとって苦しい道を無意識に選択して、自己肯定感を下げようとするシステムが働きます。

 

この働きが(自覚ができない)心の深い部分で行われるから、Aは自分が「利益を求めていること」になかなか気づくことが出来ません。自分から良くない選択肢を選んでいることにも気が付けません。

 

だから、「自分はダメな人間で、そのせいで人生が苦しい」と思い続けなければならなくなっているんですね。

 

私が、昨日?おととい?(いつ書いたか忘れてしまいました(笑))「自己肯定感の低さを改善したいなら心理療法へ」と書きたかったのは、こういう心の問題が絡んでいる人が多いからです。

 

なんだか、長々と書いてしまいましたね。

 

 

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