「正しい母」に育てられるとどうなるか② | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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昨日の続きです。

 

正論を言う母親、

心配しすぎな母親、

子の意見に否定ばかりする母親、

 

一見タイプが違うように見えますが、

どの母親も「正しい母親」であることを昨日書きました。

 

「正しい」とは何か?と言うと、

「母親の言ったとおりになる」とか

「客観的には常識的なことを言っている」とか

「母親が子供を審判する」ということです。

 

 

正論を言う母親の前で子供は、

「母親が正しくて、自分が間違っている」と思わざると得ません。

 

自分の意見にあらゆるデメリットを述べられた子供は

「じゃあやらないほうがいいんだろう」

「母親に心配させてしまって悪いことをした」と思い込みます。

 

否定ばかりする母には

何を言っても「違う」「おかしい」と言われるので、

自分が間違えたり、何か恥ずかしいことをしてしまったように感じます。

 

一般的に思われているよりも、「母の一言」が子に与える影響は大きく、

母親に「向いてない」「それで大丈夫なの?」と言われるとその通りに失敗する、という現象がよく起こります。

 

そして母親に「ほら、お母さんの言ったとおりになったでしょう」と言われることで、

子供はとても惨めになり、母親の賛成を得られる物だけを求めるようになります。

 

正論を言っているから母は正しい。

私のためを思ってくれるから母は正しい。

母のいう通りになるから母は正しい。

 

「母親は正しい」と思うほど、「自分がおかしい」という感覚も子供の中に出てきます。

この状態になってしまうと、子供はどんなにひどい母親に対しても「うちのお母さんはおかしい」と思えなくなります。

そう思うことに強い罪悪感が出てくるのです。

 

正しい母親の元で育った子供は、

この罪悪感の壁が高く、なかなか家族のことをカウンセリングで話せなかったりします。

 

むしろ、

妙に家族のことをかばったり、

母親のことを心配したり気遣ったりして、

大人になっても母親優先で生きづらい思いをしているのに、

「でも私も悪くて…」と母親を擁護します。

 

心の中は罪悪感とトラウマでいっぱいで、

「母親にもっとこうしてほしかった」という気持ちがあふれているのですが、

母が正しい、と思うからこそ、その一言がとても言いづらいのです。

 

(そしてこの子供を「母親思いの良い人」と捉える人が周りにいると、

「これが正しいんだ」とまた思い込まされてしまいます。)

 

 

「自分が傷ついたこと」と、「母親の正しさ」は同じ天秤には乗りません。

傷付いた体験を口にすることが、母親を貶める事にはなりません。

自分が楽に生きることが、母を見捨てる事にもならないのです。

 

「正しい母親」の元で育った子にとって、とても大事なことです。

 

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