「傷ついた分だけ優しくなれる」なんて言葉をたまに聞きますが、あれってたしかにその通りだな~と思います。
自分が傷つく体験をすると、他人が同じような体験をした時に「つらいよね」と気持ちを分かってあげることができます。
たくさんの事に傷つくと、「人はいろんなことで傷つく」ということを知っていくので人に対して慎重になります。
だから、優しくなれる。
でも、それは裏を返せば「あなたの痛みが今もあなたを苦しめているんですね」ということにもなります。
本来、
人って、そんなに他人に優しくなくてもいいんですよね。
そしてそんなに他人のことを分かってあげる必要もないんです。
もちろん、「だから相手を傷つけていい」という話とはちょっと違います。
人と人の間には、本来「然るべき距離感」というものがあるんです。
相手との距離が近ければ近いほどいいわけではなく、
むしろ相手と良い距離感が保たれることで、心地よい助け合いが生まれます。
この距離感が、「相手の気持ちがわかる」人にはなかなかうまくできない。
なぜなら、「分かってしまう」と相手の感情を無視することがとても難しくなるからです。
だからつい優しさで近づいてしまうのですが、距離が近づきすぎてしまったり相手に巻き込まれたりして、別のトラブルに発展してしまうこともあります。
それは相手だけではなく、近づいた自分自身も苦しいものです。
分かってしまう、は相手との距離が近いということ。
でも、相手との距離、をちゃんと見てみると、そこには「あなた自身の痛み」があります。
「人の痛みがよく分かる」
「相手が何を考えているか把握できてしまう」
「誰かが自分を悪く思っている事にすぐ気づく」
というのは、「私には、今もやりどころのない痛みがあります」というメッセージでもあったりします。
「分かってあげられる繊細で優しい人」として生きていくのも悪くないかもしれません。
もしかしたらその力を生かせる環境があって、やりがいが見つかることもあるでしょう。
でも、もしそれが自分自身を苦しめるのなら、
他人のことを気づいてあげる前に、自分の痛みに優しくあるべきかもしれないなあ~と思っています。
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