昨日の続きです
嫉妬というのは動物的な反応で、実は性格の良しあしとはあまり関係がないとされています。
条件さえ揃えば誰でも無条件で発動するのが「嫉妬」なのです。
部下を脅威のように感じ、嫉妬を抑えられない上司に対して、
「頑張るほど上司に褒められるはずだ」と思っている部下は自分の成果を何度も報告しに行きます。
これが「火に油を注ぐ状態」となり、
上司は嫉妬する自分を責めつつも部下に優しくできず、
部下は上司が想定より評価してくれず傷つくことになります。
ここで部下が、認めてほしくてさらに頑張って成果を報告したり
何かでミスをした上司のことをカバーしたりすると状況は最悪に。
上司の心は嫉妬と自責の念でぐちゃぐちゃに、部下は信頼する上司に裏切られたような気持ちになります。
(もちろんこれは例で、こうならないこともたくさんあります)
『STEINSGATE』でも、この天才少女は父親の名誉を挽回するべく、自分が書いた論文を共著にしようと持ち掛けちゃうんですよね。
彼女からすれば、父親との関係の再構築のきっかけにもなるかもしれないという気持ちもあったかもしれません。
子供はいつでも「あなたがいてくれて嬉しい」と親に言われたいものです。
しかし、自尊心が傷つき娘に嫉妬しなければならなかった父親がこの時どんな気持ちだったのかも、ちょっと考えてしまいますよね。
(ただしこの後父親とんでもないことをしますが(-_-;))
上下関係において、「上」は「下」が思うほど完璧な存在ではないことが多々あります。
「下」は尊敬する「上」を神格化し、親に褒めてもらうような気持ちで「頑張ればそれだけ褒めてくれる」「成果を出せば認めてくれる」と思いがちです。「上」にも人間としての泥臭い感情があることを忘れてしまうので、突然「上」が人間的な感情を見せると裏切られたような気持ちになります。
そして「上」は「下」の思わぬ才覚におびえ、「自分よりすごいのかもしれない」と思い嫉妬の気持ちを起こします。嫉妬はほぼ自然発生的なものですが、それを知らないと自分を責めたり「下」を認められなくなって苦しみます。
もし、今「部下」の立場にいて、頑張れば頑張るほど上司に冷たくされるような気がするときは、上司に嫉妬されているのかもしれません。
なんだ嫉妬か、と気にしないでもいいし、完璧にやりすぎてるんだな、と少し手を抜いて上司に頼ってみるのも手かもしれません。
逆に、今「上司」の立場にいて、部下に優しくできないと感じている時は、もしかしたら「嫉妬」という動物的な反応が出てしまっているのかもしれません。
それは性格が悪いとか心が狭いという問題ではなくて、そもそも発生してしまうものですから、自分を必要以上に責めないことです。
そして、自己評価を上げられるようになると、嫉妬も減ってくるものです。
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