例えば、
他人に愛してほしいと思っているのに、
身だしなみに気を使わない人がいたとします。
便宜上女性ということにしますね。
この女性、別に自分の見た目を気にしないわけではありません。
「私ってブスだから」「痩せたいな~」が心の中の口癖です。
だけどなぜかダイエットも美容も化粧の勉強も3日坊主で手を付けられません。
ただ意思が弱いだけなんじゃない?
なんだかんだで自分に甘いんじゃない?
変わらなくても王子様が現れると思ってるんじゃない?
この、「本気でそう思ってるなら変わるために行動してるはず」が世間の一般論です。
一方、カウンセリングではこう考えます。
「変わらないことに、どんな意味があるのかな」
「変わらないことに、どんな心の仕組みがあるのかな」
家系図をお聞きして、生育歴をお聞きして、
ご本人のお話をじっと聞いていると
「変わらない」事が安全装置だということが分かります。
小さい頃に、不快な性的体験があった場合、
彼女が「変われない」のは、「美しくなったら同じ被害にあうのではないか」と恐れている可能性があります。
(性的な不快感というのは繊細で、直接何かをされていなくても十分傷を残します)
小さい頃に、周囲にとてもかわいがられた場合、
彼女が「変われない」のは、「みんなに愛されると重要な人からの恨みを買う」ことを思い出すからかもしれません。
色んな要素と背景が、今の自分を構成しています。
相手に悪気があったかどうかは関係なく、人は些細なことで傷をつくり癒せないまま大人になります。
「変わりたいのに変われない」
「愛されたいけど変わりたくない」
は、怠慢ではありません。
そこにブレーキをかけている安全装置が必ず存在しています。
「でも、私がきれいになったから愛してくれる人って信用できない」
「ありのままの姿でも愛してくれる人が欲しい」
そう思うかもしれません。
続きます。
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