本当は誰に分かって欲しかった? | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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昨日の続きです。

 

 

「私のことを分かってもらえない」という苦しみには、

当然「私のことを分かってほしい」という前提があります。

 

この前提って、いつ、どこから来たんでしょうか?

 

 

こういう場合、たいていのルーツは親子関係の中にあります。

 

 

例えば、子供がテストで60点しか取れなかった時。

 

母親は「でも今回は机に向かう時間も増えていたし、頑張っていたから」と子供の勉強への姿勢をしっかりほめたとします。

 

だけど、この母親の「頑張っていたから」の後には続きがあります。

「だからそのうち少しは結果が出るでしょう」と心のどこかで思っているんです。

 

これ、ある意味当然ですよね。

 

誰だって何かの結果が欲しいから頑張っている。

それを応援する人もまた、本人が頑張っているのを知っているから結果が出てほしいと思う。

 

応援している人がいつまでも伸び悩んでいるのもつらいものですよね。

 

だから子供がいつまでたっても点数が上がらないと、

母親は焦り、「結果を求める気持ち」がどんどん強くなって、いつしか子供に「頑張ったね」と言う余裕がなくなってくる。

 

どうして頑張ってるのにうちの子は結果が出ないんだろう

才能がない?何か発達の問題がある?

育て方が悪かったのかもしれない

要領の悪さにイライラしてきてしまう

このままでは将来が不安だ

 

母親の中に渦巻く不安やイライラは、子供が「いい点をとれるようになる」という結果が出ることで消える悩みでもあったりします。

 

でももし、この子供が「お母さんに愛される」ために頑張っていただけだとしたら。

 

頑張っても(成績が上がらないと)褒めてもらえないことに気づいた子供は、次第に頑張れなくなって無気力になっていく。

お母さんに望まれていない、そんな気がします。

 

母親は安心したくて子供に結果(テストでいい点)を求める。

子供は愛されたくて母親に結果(努力をほめる)を求める。

 

これって非常によくあるすれ違いで、

親子共に同じ方向を向いているように見えて、望んでいる「結果」が全く違うというものです。

 

(このケースは本当はそんなに単純じゃなくて、もっと別の問題もはらんでいます。でもそれは今回省略です。)

 

 

ここからは子供の目線です。

 

「分かってくれる人がいない」と思うと、「分かってほしい」という気持ちも大きくなります。

 

そして誰よりもお母さんに分かって欲しかったので、「お母さん」を求めるようになります。

 

習い事の先生

学校の担任

年上の彼氏

職場の上司

 

色んな人の中に、「お母さんのカケラ」を見つけては、分かってほしくなってしまいます。

 

結果が出ていなくても「努力を褒めてほしい」と思ってしまう心理の中には、

 

小さい頃の「お母さん見てみて!すごいでしょ!」と「こんなに愛されるために頑張っているのにどうしてわかってくれないの」が残っています。

 

「分かってくれる人がいない」は

「分かってほしい」になり、

「分かってくれる人がいるはずだ」に変わってしまうので、

 

人はもっと薄情で結果ばかりを見ている生き物なのに、

「本当に分かってくれる人」を求めて

道なき道を歩み続けてしまう。

 

 

※ちなみに、これは子供の意図を汲めなかった母親が悪いという話ではありません。

人ってもれなく「莫大な量のすれ違い」を抱えています。

 

続きます

 

 

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